財産分与時の不動産の評価方法

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離婚時の財産分与では、共有財産を夫婦で折半するのが原則です。共有財産とは、婚姻中に夫婦が協力して築き上げた財産のことを指します。不動産も共有財産です。不動産を折半するためには、売却のために不動産の価値を評価する必要があります。ここでは、不動産の評価方法についてまとめました。

不動産の価値の基準時とは

不動産の価値は日々変化しています。そのため、評価額の算出には基準時が必要です。財産分与においては、「範囲の基準時」と「評価の基準時」の2つの観点で考える必要があります。「範囲」とは、財産分与の対象を決める視点です。夫婦の協力関係が喪失したときが基準時となります。別居したなら別居時の財産が財産分与の対象です。対象となった財産を「評価の基準時」において評価します。評価に基準時は、裁判時・調停や話し合いで決まった時です。

不動産の価値を評価する4つの方法

不動産の価値を評価する方法には、「実勢価格」「公示地価」「路線価」「固定資産税評価額」の4種類があります。どの評価方法を採用するかによって、評価額は大きくことなることに注意が必要です。話し合いで決めることもできますが、合意に至らない場合は、実税価格の不動産鑑定士による評価額を採用することもあります。それぞれの評価方法について詳しく解説します。

実勢価格

実勢価格とは、市場で取引されている価格をいいます。つまり、実際に取引される際の価格によって評価をします。そして、実勢価格の算定方法は、主に以下の3つです。

不動産鑑定士に査定してもらう

一つ目は、不動産鑑定士に査定してもらう方法です。不動産鑑定士は国家資格であり、不動産の価値を鑑定できる唯一の資格です。

不動産会社に査定

二つ目は、不動産会社に査定してもらう方法です。不動産会社は豊富な経験を有していますので、正確な額を査定してもらえるでしょう。不動産会社の中に不動産鑑定士が在籍しているケースもあります。

類似の取引事例から考える

類似の物件が取引された事例から実勢価格を判断する方法もあります。

過去の取引事例についてはレインズや国交省の不動産情報ライブラリで調べられます。興味のある方は、以下のリンクから調べてみてください。

不動産情報ライブラリ│国土交通省

REINS

公示地価

公示地価とは、適正な地価の形成に寄与するために、国土交通省土地鑑定委員会が毎年3月に公示する標準地の価格のことをさします。

公示地価については、以下の国土交通省のHPで調べることができます。

地価・不動産鑑定│国土交通省

路線価

路線価とは、道路に面した土地の1平方メートルあたりの評価額で、国税庁が毎年7〜8月に公表します。路線価は、相続税や贈与税、固定資産税などを算出する際の基準となる価格です。

路線価は、不動産鑑定士などの専門家による鑑定評価額や精通者の意見価格などを基に、地価公示価格の80%程度を目安に定められます。評価時点は毎年1月1日で、1年間の地価変動などを考慮します。

相続税については国税庁のサイトを確認するとよいでしょう。

路線価図,評価倍率表│国税庁

以下の一般財団法人資産評価システム研究センターのサイトも利用可能です。

全国地価マップ│
資産評価システム研究センター

固定資産税評価額

固定資産税評価額とは、固定資産課税台帳に記載された固定資産税の課税の基準となる土地・建物の評価額のことをいいます。

不動産の価値は離婚時のトラブルの元

不動産の価値は、離婚時のトラブルの元になる可能性があります。その理由として以下に3つを挙げた上で、なぜトラブルになるのかを詳しく解説します。

査定額の差でトラブル

不動産の財産分与を行う場合、お互いが自分の有利になるようにそれぞれ査定を依頼する場合があります。しかし、不動産の評価額は評価方法や評価者によって査定額が異なるケースがあり、絶対的なものではありません。そのため、それぞれで依頼した査定額のどちらが適正かで主張が衝突し、トラブルになる可能性があります。

どちらかが住み続ける場合も揉める

夫婦のどちらかが離婚後も家に住み続ける場合、不動産の評価額が高いと、家に住んでいない元夫婦の一方が早く売却すべきだと主張して揉める可能性があります。

評価額は成約価格ではない

不動産の評価額はあくまでその時点の評価額であって、実際の成約価格ではありません。よって評価額と実際に成約した価格との間にずれが生じる可能性があります。ずれが生じた結果、こんなはずではなかったと不満が出て、お互いトラブルになる可能性があります。

まとめ

「離婚したら不動産を手放さなければならない」とお考えの方もいるようですが、必ずしもそうではありません。ただし、不動産を手放さずに離婚するためには、煩雑な交渉や手続きが必要です。離婚時の不動産をめぐるトラブルについては、対応実績が豊富な専門家へ相談するようおすすめします。

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