財産分与の際の不動産の価値はどのように調べたらいい?

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離婚をめぐる財産分与では、結婚してから夫婦で購入した不動産を適切な価値で算定する必要があります。お金だけではなく不動産も夫婦の財産である以上、不当な分与にならないよう不動産の基本的な査定方法を確認しておきましょう。

家の査定が必要なケース

結婚してから築いた財産は、夫婦共有のものとされます。そのため、結婚後に購入した不動産を適正に分与するためには、不動産の正しい査定が必要です。

ただし、独身時代にそれぞれが購入した財産や、夫婦どちらかが自分の親から相続したものなどについては、財産分与の対象となりません。まずは、不動産が財産分与の対象かどうかを明確にする必要があります。

以下では、仮に不動産が財産分与の対象であったとして、不動産の査定が必要となる主な2つのケースを見てみましょう。

家を売却して売却代金を分け合うケース

不動産を売却し、その売却代金を夫婦で分け合うケースの場合には、不動産の査定が必要となります。なぜならば、不動産を売却するためには市場に照らして適正な売出価格を設定する必要があるからです。

ただし、住宅ローンが未返済の状態で不動産を売却することは、原則としてできません。不動産を売却するためには、銀行などの債権者が設定した「抵当権」を抹消する必要がありますが、住宅ローン未返済のままでは、債権者に抵当権を抹消してもらえないからです。全額を返済の上、不動産査定を受けて売却することが一般的な流れとなります。

なお、住宅ローン未返済のまま不動産を売却する特殊な方法に「任意売却」がありますが、当ページのテーマとは異なるため説明は割愛します。

片方が家に住み続けるケース

夫婦のどちらかが家を出て、もう一方が家に住み続けるケースの場合にも、不動産の査定が必要となります。なぜならば、家を出るほうにも不動産価値の半分を受け取る権利があり、その価値を適正に把握するためには、不動産の現在評価額を算出する必要があるからです。

なお、住宅ローン未返済の状態でこのケースを選択した際、片方が名義人、もう片方が連帯保証人となっている場合には、名義人の返済が滞ると連帯保証人に返済請求が来ることも理解しておきましょう。たとえ離婚しても、連帯保証人としての立場が消滅するわけではありません。

4つの不動産評価

財産分与における不動産評価では、主に以下でご紹介する6つが基準のうち、いずれかが採用されます。一般的には、最初にご紹介する「固定資産税評価額」を基準に不動産の価値が算出されています。

固定資産税評価額

固定資産税評価額とは、固定資産税の算出の基準とされる不動産評価額のこと。固定資産税を算出する際には、その時点での不動産価値を評価する必要があることから、財産分与における重要な情報として活用されています。

固定資産税評価額は、例年4~5月に不動産所有者へ送付される納税通知書、または市区町村窓口で取得可能な固定資産評価証明で確認することができます。

公示地価

公示地価とは、国土交通省が公表している1㎡あたりの標準価格のこと。毎年1月1日時点での評価額で、一般的な土地取引における客観的な基準として採用されています。

日本全国の全ての土地の価格を網羅しているわけではありませんが、近隣の公示地価を確認すれば、おおむね自宅の土地評価額の目安とはなるでしょう。

公示地価は、国土交通省「土地総合情報システム」などで確認可能です。

路線価

路線価とは、道路に面する標準的な宅地1㎡あたりの標準価格のこと。毎年1月1日時点での評価額として国税庁が公表しています。

なお路線価には、以下でご説明する通り、「相続税路線価」と「固定資産税路線価」の2種類があります。

路線価は、国税庁「財産評価基準書路線価図評価倍率表」などで確認可能です。

相続税路線価

路線価のうち「相続税路線価」とは、土地の相続税・贈与税を算出する際の基準となる土地評価額。公示地価に対し、おおむね8割の価格となります。

固定資産税路線価

固定資産税路線価とは、固定資産税評価額の算出基準となる土地評価額。一般に、不動産会社や金融機関が土地の評価をする際に用いる目安とされています。公示地価に対し、おおむね7割の価格となります。

時価

時価(実勢価格)とは、実際に個別で取引された不動産価格のこと。国土交通省に集約された個別の取引価格がまとめられたデータです。近隣で取引された不動産のデータが見つかれば、自宅の不動産の評価額の目安にもなるでしょう。

なお、時価は国土交通省「土地総合情報システム」で閲覧可能ですが、個別の不動産価格は、建物の状態や取引理由などの影響で上下するため、データは参考程度に留めておくようおすすめします。

不動産の時価の算出方法

地価公示価格

都市計画区域の中から全国3万地点を選定し、一定の基準により国土交通省が1㎡あたりの時価を算出します。

時価算出の基準日は毎年1月1日で、情報公開日は毎年3月下旬。以下でご紹介する「基準値標準価格(都道府県調査地価)」は、地価公示価格とほぼ同じ考え方で算出されます。

基準値標準価格(都道府県調査地価)

都市計画区域に加え、都市計画区域外の主要な地点も選定し、一定の基準により都道府県が1㎡あたりの時価を算出します。

時価算出の基準日は毎年7月1日で、情報公開日は9月下旬。時価算出方法は地価公示地価とほとんど変わりませんが、地価公示地価とは異なり、都市部以外の土地の時価も参照できる点が大きな違いとなります。

相続税路線価格

全国主要都市、およびその周辺地域を対象とし、一定の基準により国税庁が道路に面した宅地1㎡あたりの時価を算出します。

時価算出の基準日は毎年1月1日で、情報公開日は7月。主に相続税・贈与税算出の目安として利用されるとともに、一般的な不動産評価においても活用されることのあるデータです。

固定資産税評価額+実勢価格

固定資産税評価額は、固定資産税を標準税率(1.4%)で除することで算出され、また実勢価格は、過去に行われた不動産取引の個別データに基づいて公表されます。

固定資産税評価額の算出基準日は毎年1月1日で、情報公開日は4月。実勢価格については、個別の取引履歴が国土交通省に集約された後に公開されます。

目的に応じた不動産価格

公開されている不動産価格を何らかの目安として利用したい場合には、目的に応じた適切な不動産価格を確認するようにしましょう。

目的に応じ、確認すべき適切な不動産価格を表にまとめました。

目的 適切な不動産価格
財産分与を行う 固定資産税評価額や実勢価格が一般的。ただし、同時者間で合意に至らない場合には不動産会社等による査定が必要。
動産を売却する 実勢価格が一般的。公示地価や路線価、不動産会社等による査定も参考にされる。
不動産を相続・贈与する 土地は相続税路線価、建物は固定資産税評価額が一般的。
固定資産税・不動産取得税などを計算する 固定資産税評価額は一般的。
裁判や調停に利用する 不動産会社等による査定が一般的。

あくまでも表は参考程度の情報となります。実際に財産分与等を行う際には、専門家に相談して個別のケースに応じた適切な不動産価格を適用しましょう。

なお、地価公示地価を100とした場合、他の方法による不動産価値は、おおむね次のようになります。

  • 地価公示価格:100
  • 基準値標準価格(都道府県調査地価):100
  • 相続税路線価格:80
  • 固定資産税評価額:70

相続税路線価格や固定資産税評価額を知りたい場合には、地価公示価格を「0.8」や「0.7」で割れば算出可能です。正確な価格については、管轄窓口からの情報を確認しましょう。

不動産の時価の調べ方

不動産価格の種類別に、それぞれの価格の調べ方を確認しましょう。

不動産価格の種類 調べ方
公示価格 国土交通省地価公示や都道府県地価調査を確認する。
基準値標準価格 国土交通省地価公示・都道府県地価調査を確認する。
相続税路線価格 財産評価基準書路線価図・評価倍率表を確認する。
固定資産税評価額 固定資産税納税通知書や固定資産税台帳を確認する、または固定資産評価証明書を取り寄せる。
実勢価格 土地総合情報システム内にある不動産取引価格情報を検索する。

上記の「調べ方」のうち、固定資産税台帳を確認する場合や固定資産評価証明書を取り寄せる場合には、所定の申請が必要となります。納税義務者、相続人、借地人など、申請できる人の資格が限られる点にご注意ください。

まとめ

「離婚したら不動産を手放さなければならない」とお考えの方もいるようですが、必ずしもそうではありません。ただし、不動産を手放さずに離婚するためには、煩雑な交渉や手続きが必要です。離婚時の不動産をめぐるトラブルについては、対応実績が豊富な専門家へ相談するようおすすめします。

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