離婚後も共有名義の家に住む

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共有名義の家に住み続ける場合には、さまざまなリスクが発生する可能性があります。そもそも、離婚後に家を共有名義にしておくこと自体がリスクです。そのため、離婚した後に共有名義の家に住むことは推奨されないといえます。

離婚後に妻が共有名義の家に住み続ける方法

これまで住んでいた共有名義となっている家に、離婚後も妻が住み続けるにはいくつか方法があります。ここでは、どのような方法があるのかを見ていきましょう。

話し合いで合意をとる

名義を共有している人同士の合意が得られれば、離婚後も妻がその家に住み続けられます。このような場合には、公正証書にて取り決めを行うことでトラブルを防げます。

ローンがある場合どうする?

ローンが残っている共有名義の家について、「妻がそのまま住み、夫がローンを払っていく」という形も話し合いによって可能ではあります。しかしこのようなケースは夫側にメリットがないことから、交渉は難しいと考えるべきでしょう。

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不動産あんしん相談室
代表 神田 加奈氏
代表
神田 加奈
離婚時の不動産トラブル問題を解決するプロ
不動産コンサルタント

共有名義の家に住むなら弁護士に相談

離婚後も共有名義の家に住み続けるのであれば、元夫と自分の希望する内容を離婚協議書にまとめ、公正証書にしておくことがおすすめです。また、ローンがあるケースでは金融機関から承諾をもらいます。このようなフローが必要になるため、交渉ごとについては弁護士に相談するのがおすすめです。一度相談してみることでどのように進めたら良いのかという点が明らかになるため、手続きに不安な人は特に一度弁護士に相談してみてください。

離婚後も共有名義の家に住むのは「推奨されない」

法律上、自分の持分がある家に住む権利はあります。しかし、相手の持分も含まれていることから「完全な自分の家」というわけではありません。その場合に発生する弊害について解説します。

「所有者(名義人)」と「居住者」が異なることで起きる実務上の弊害

離婚後も共有名義にしたまま、片方が住み続けた場合には、「所有者(名義人)」と「居住者」が異なることになります。この状態の場合には、郵便物の受け取りや、将来の資産価値を維持するためのメンテナンスの決定権が曖昧になる、という問題が考えられます。すでに住んでいない元配偶者の郵便物が届く、メンテナンスをしたいものの勝手に行うことができないといった状況に陥る可能性があることから、共有名義を解消することが望ましいといえます。

【警告】共有名義のまま住み続ける5つの重大リスク

共有名義のまま住み続ける場合に考えられる、5つの重大リスクについて解説していきます。

1. 銀行との契約違反になるリスク(期限の利益の喪失)

共有名義のまま離婚後も元妻または元夫のみが住み続ける場合には、銀行との契約違反となるリスクがあります。これは、銀行の融資の条件に「契約者本人が住むこと」という点が含まれているためです。そのため、別居(名義人と居住者の不一致)が発覚した場合には、残りのローンについて一括返済を求められるリスクが考えられます。

2. 元配偶者がローンの支払いを滞納すると、即座に競売へ

ローンの支払いを元配偶者に任せている場合、順調に支払いが継続されれば問題はありません。しかし、何らかの理由で相手の家計が悪化するなどしてローンの支払いが滞ってしまう可能性もゼロではありません。このように、元配偶者がローンの支払いを滞納した場合、自分が住んでいる家が競売にかけられてしまう可能性があることから、自分の住まいを失ってしまうことに直結するリスクになります。

3. 元配偶者の「借金」や「税金滞納」で家が差し押さえられる

ローンの支払いを滞納した場合のみではなく、元配偶者が借金を作ってしまった、税金を滞納してしまったといった相手の不祥事によって、自分が住んでいる家の半分(相手の持分)が差し押さえられ、公売にかけられてしまうことも考えられます。

4. 将来の売却やリフォームに元配偶者の「実印と承諾」が永遠に必要

離婚後に共有名義の家に住んでいる場合、売却やリフォームを行いたいと考えることがあるかもしれません。しかし、家の売却やリフォームを行う場合には、名義人全員の同意が必要になります。共有名義のままにしておくと、離婚後何年経ったとしても相手の協力がないと何も決めることができない状態が続いてしまいます。

5. 元配偶者が再婚・死亡した場合、見知らぬ相続人と家を共有することに

離婚後、元配偶者が再婚し、その後亡くなると相続が発生します。この場合、相手の再婚相手やその子供がその家を相続することになるため、これまで会ったことがない相続人と家を共有することになります。さらに、権利者として登場し、退去を迫られるといった可能性もあることから、離婚する場合には共有名義を早い段階で解消しておくことが推奨されます。

離婚後も今の家に住み続けるための「3つの解決策」

ここまで解説してきたように、共有名義の家に住んでおり離婚した場合には、早い段階で共有名義を解消することが望ましいといえます。

1. 【最も安全】住宅ローンを借り換えて自分一人の単独名義にする

まず考えられる方法が、住宅ローンの借り換えを行い、自分だけの単独名義にする方法です。この場合には、相手の持分の買取を行うと同時に、自分名義のローンで一本化する形になります。この用法は、非常に安全に共有名義を解消できる、王道の解決策であるといえます。

2. 【次善策】離婚協議書を「公正証書」にして居住権を保護する

ローンの借り換えを行うには審査を受ける必要があり、収入などさまざまな面が見られます。その結果、借り換えが難しいという判断になるケースも考えられます。

このようにローンの借り換えが難しい場合には、離婚協議書を「公正証書」にすることで居住権を保護する方法があります。公正証書を作ることによって、「いつまでその家に住むことができるか」「各種費用の負担」といった点を法的に確約させられます。

3. 【新手法】リースバックを活用してローンを完済し、賃貸として住む

上記の2種類の方法のほか、「リースバック」と呼ばれる方法があります。この方法では、専門業者に家を売却して得られた売却益でローンを完済するとともに、賃貸借契約を結びます。この方法により、月々の賃貸料を支払いながらこれまで住んできた家に住み続けられるようになります。

家を売却してローンを完済し、家賃を支払うことによって「名義」「ローン」に関する悩みから解放されます。

共有名義を解消し、自分の名義に変える手順

ここでは、共有名義を解消して自分の名義に変える手順について紹介します。

銀行に「名義変更」を認めてもらうための交渉術

共有名義やペアローンで組んだ住宅ローンの場合、「夫婦2人の収入を合算した信用力」を前提に審査が行われ、融資が行われています。そのため、離婚を理由として単独のローンに変更するということは、銀行側としては「毎月のローンを回収できなくなるリスク」が高まることにつながります。

そのため、収入を証明する書類や公正証書などを用意することによって、単独で問題なく返済ができるという点を示す必要があります。

収入不足を補う「親子リレーローン」や「親族間売買」の活用

名義変更を行うにあたって自分ひとりではどうしても審査が通らない、というケースもあります。その場合には、収入の不足を補う「親子リレーローン」や「親族間売買」を活用するといった選択肢も考えられます。

財産分与における「登録免許税」と「不動産取得税」の特例

共有名義を単独の名義に変更するにあたっては、登録免許税(固定資産評価額の2%ほど)や不動産取得税がかかります。

不動産取得税は、離婚に伴い財産分与として物件を取得する場合は非課税となります。ただし、離婚後に相手からの買取により単独名義にする場合には、不動産取得税が発生することがあるため注意が必要です。

住宅ローンがある共有名義の家を「売却」して清算すべきケース

中には、共有名義となっている家に住み続けるよりも、売却した方が良いケースもあります。

アンダーローンの場合:家を売って現金を分けるのが最もスッキリする

住宅ローンの残高よりも家の売却金額が上回っている状態のことを「アンダーローン」といいます。アンダーローンとなる場合には、住宅の売却益によりローンを返済し、残った現金を離婚時に分けるという方法を選択できます。この方法を取ることによって、将来のトラブルを防げるというメリットがあります。

オーバーローンの場合:任意売却で連帯債務を解消し、再出発する

上記とは逆に、家の売却金額よりも住宅ローンの残高が上回っている状態を「オーバーローン」と呼びます。この場合には、銀行に了承を得た上で任意売却を行うことによって連帯債務を解消できます。たとえオーバーローンの場合でも、任意売却を行うことによって共有名義の縛りから解放されるというメリットが得られます。

相手が非協力的な場合の最終手段「共有物分割請求」

共有名義になっているにも関わらず、相手が話し合いを拒否する場合などには「共有物分割請求」と呼ばれる方法もあります。

話し合いができないなら裁判所を通じて強制的に共有状態を解消する

「共有物分割請求」は、不動産や土地などの共有財産において、共有者の一人が他の共有者に対して共有状態の解消を求めることを指します。この「共有者の権利」を行使することによって、裁判所を通じて強制的に共有状態の解消を行い、膠着状態を打破する法的手段を使用するという方法です。

自分の「持分のみ」を売却して、家から現金を引き出す方法

相手に関係なく、自分の持分(=自分の権利)のみを専門業者に売却することによって、関係を断つという方法もあります。ただし、この方法は最終的な手段として考えておくと良いでしょう。

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