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一般的に、住宅は離婚時に財産分与を行うにあたって最も大きな金額になる財産です。しかし、場合によっては家を売却しても住宅ローンを完済できない状態である「オーバーローン」となっているケースがあります。

こちらの記事では、離婚時に持ち家がオーバーローンとなっている場合に発生する問題や、財産分与における対処法などをまとめています。
オーバーローンは財産分与の対象外
オーバーローン物件は「資産価値ゼロ」となり財産分与の対象外
住宅ローンの残高が売却査定額を上回っている「オーバーローン」と呼ばれる状態の場合、不動産としてのプラス価値がないと判断されるため、分配対象になりません。結果として、オーバーローンとなっている物件は、財産分与の対象外となります。
他のプラスの財産(預貯金など)と住宅ローンのマイナスは相殺できる?
オーバーローンの物件を持っている他に預貯金などの財産があり、合計することによってローンの残債を上回るケースでは、プラスの財産からマイナス部分を除いた残りの金額を財産分与の対象とする、という考え方が採用されています。
上記に対し、他の財産を合算してもローンの残額が上回るケースでは、分与すべき財産は0円として扱われます。この方法は「通算説」と呼ばれ、広く用いられています。実際に、東京高裁において通算説を採用してオーバーローン物件と他の財産を合算した事例があります。
出典:御池ライブラリー 2026/4 No.63│御池総合法律事務所(https://www.oike-law.gr.jp/wp-content/uploads/OL63_all.pdf
夫(妻)名義の単独ローンと「連帯保証人・ペアローン」の違い
夫(または妻)名義の単独ローンの場合、離婚後は名義人ではない側には返済義務は残りません。対して「連帯保証人」や「ペアローン」でローンを組んでいる場合には、離婚しても夫・妻双方に返済義務が残ります。この場合、離婚届を提出したとしても、保証義務は自動解除されない点に注意する必要があります。
オーバーローンの不動産を財産分与する方法
住宅ローンのように、婚姻生活において夫婦が生活をしていくための借金は財産分与の対象です。このように借金がある場合には、そのほかのプラスの財産を2人で分け合った上で、残りのローンを名義人が返済していく、ということが基本となります。ここでは、オーバーローン住宅への対処方法をまとめました。
持ち出しでローンを完済する
まずは現在残っているローンを、現金や預金などプラスの財産で穴埋めをして完済を目指す方法が考えられます。ただし、この方法はプラスの財産が負債を上回っているケースのみ可能な方法となります。
また、離婚時にどちらがどのくらいの金額を負担するかあらかじめ取り決める必要があります。片方が差額を負担する、または双方で負担を分けるといった形での合意が必要となりますが、離婚時の夫婦関係によっては泥沼化する可能性もあります。
名義人がそのまま住み続ける
もし対象となる家が単独名義の場合には、名義人が離婚後も住み続け、ローンの返済を続けていく選択肢も考えられます。名義人がそのまま住み続ける希望を持っており、ローンを支払い続けられる場合には、こちらの方法を選択するのもひとつの手です。
このケースでは、住宅の名義変更や今後のローン返済計画の変更など、複雑な手続きを避けることができる点もメリットといえます。住宅を手放さずに済み、最終的には名義人の財産となります。
ローンを借り換え名義変更して住み続ける
選択肢のひとつとして、相手の名義となっている家を自分の名義にして住み続けたい、と考える人もいるでしょう。しかし、ローンの返済が終了していない場合には名義変更を行うがあります。
不動産とローンの名義人が、相手単独またはペアローンなどを含む共有名義となっており、一定の収入がある場合には、ローンの借り換えを行うことによって自宅の取得ができる可能性が考えられます。このように、もしシングルマザーとなったとしても、現在住んでいる家に住み続ける方法があるといえます。
名義変更をしないまま名義人ではない方がそのまま住む
例えば、元夫名義となっている家に離婚後も元妻が住み続けるといったパターンです。円満離婚で夫婦間の合意がある場合は不可能な方法ではありませんが、その家に住んでいない元夫がローンの返済を続けていかなければならず、支払いが滞る可能性がある点には注意が必要です。
もしローンの返済が続けられなければ、自分が連帯保証人になっていれば返済の義務を負うことになりますし、もし返済が不可能であれば強制退去させられるケースも考えられます。
ローン返済が困難なら任意売却
もし、ローンの返済を続けていくことが難しく、滞納してしまった場合には任意売却を検討します。任意売却とは不動産を売却する方法のひとつですが、住宅ローンの滞納が発生しているケースやオーバーローンとなっている場合に用いられる方法です。競売と比較すると、売却価格が高額になる可能性があることや、債権者に対して返済計画の交渉が可能であるといったメリットがあります。
「リースバック」を活用して持ち家から賃貸に切り替える
オーバーローンの不動産の場合、「リースバック」と呼ばれる方法を利用する選択肢があります。これは、不動産会社や専門の業者に家を売却することでローンを完済し、賃貸に切り替え家賃を支払いながら引越しをせずに暮らす方法です。生活環境を変える必要がない点が大きなメリットですが、家賃が発生する点がデメリットであるといえます。
不動産あんしん相談室の
離婚とオーバーローンの解決事例
離婚後の退去期日が迫る中
「売却は不可能」と諦めかけた絶望からの出発
旦那様との離婚後、「家に住み続けられるのは3月末まで」と約束していたものの、期日が目前に迫り、今後の生活に強い不安を抱えておられました。周囲からは「住宅ローン残高が資産価値を上回る『オーバーローン』状態のため、家を売ることは極めて難しい」と告げられ、行き場をなくし落ち込んでいらっしゃいました。そんな中、知人の紹介をきっかけに、最後の頼みの綱として「不動産あんしん相談室」へ切実な思いでご相談いただきました。
不動産あんしん相談室
神田 加奈氏
徹底した室内内覧と公正な査定で可能性を発見!
元夫との迅速な連携でスムーズな売却を即実行
私たちは諦めずに室内を徹底内覧し、立地の強みや管理状態の良さを加味して公正かつ正確に査定を行いました。その結果、周囲の言葉とは異なり「オーバーローンではなく、黒字で売却できる可能性が高い」と判断。リスク対策も含めた的確なアドバイスをお伝えするとともに、早急に元旦那様へ連絡を取り、売却戦略を伝達・実行に移しました。迅速なフォローにより期日内のスムーズな売却に成功し、お客様からも「すべてがうまくいった」と喜びの声をいただきました。
離婚時のオーバーローン住宅で起こる問題
オーバーローンは財産分与の対象外となる
離婚時の財産分与は、「財産」の分配を目的としていて、マイナスの財産は財産分与の対象にはなりません。離婚をする際にオーバーローンの物件を所有している場合、オーバーローン部分は財産分与の対象外となります。住宅をどのように処理するかを夫婦間の話し合いで決める必要があり、財産分与を行う際に問題が複雑化しやすくなります。
処分するには金融機関の同意が必要
オーバーローンとなっている場合でも、できるだけ不動産を早く処分したいと考えることもあるでしょう。しかし、ローンの返済がまだ完了していない状態となっていますので、金融機関の同意が得られないと処分ができません。そのため、ローンを借りた金融機関との契約に制限を受けながらの処分を行うことになります。たとえば、名義変更ができない、売却ができないといった状況になります。
売却ができたとしても債務が残る
もし金融機関の同意が得られて売却ができたとしても、オーバーローンの状態となっていることからローンの完済ができず、債務が残ることになります。そのため、売却を行った後もローンの返済を続けていく必要があります。
返済義務が残ることで関係が継続する可能性がある
上記の通り、売却ができたとしても債務が残ることから金融機関と契約した名義人が返済義務を負う形になります。しかし、連帯保証人になっている場合には、もし相手が返済を滞納すると自分に返済義務が降りかかってくる状態になります。これは、ペアローンを組んで物件を購入した場合も同様です。
不動産あんしん相談室
神田 加奈氏
オーバーローンの住宅に住み続ける方法はある
オーバーローン住宅は、離婚時にその取り扱いについて判断が難しくなるケースがあります。しかし、「そのまま住み続けたい」と考える場合もあるでしょう。その場合には、不動産会社に相談してみることがおすすめです。
不動産あんしん相談室では、任意売却を行う場合でもリースバックが可能であったり、買い戻しが可能なプランなど、「今の家に住み続けたい」というニーズに応えることができます。不動産の知識を持っていない場合でも、しっかりとサポートを行ってくれますので、ぜひお気軽にご相談ください。
オーバーローン住宅の売却手順と確認事項
住宅ローンの残債を確認する
はじめに住宅ローンの残債がどれくらいあるのかを調べます。残債額は、契約している金融会社から届く「残高証明書」や「ローン返済計画書」にて確認できます。最新の残債額を知りたい場合には、契約先の窓口に確認します。
売却金額の査定を行う
続いて、家がどれくらいの金額で売却できるのかを確認します。売却金額は、不動産会社の売却査定を受けることで確認できます。査定は、書類上の情報のみで査定を行う「机上査定」と、調査員が実際に訪問して査定を行う「訪問査定」の2種類があります。訪問査定の方がより正確な査定価格が算出できるので、オーバーローンになるかどうかを確認したい場合には訪問査定を利用することがおすすめです。
また売却査定を受ける場合には、複数の不動産会社に査定を依頼しましょう。複数の不動産会社に依頼することによって、売却金額の相場を把握できます。
不動産売却にかかる諸費用を確認する
オーバーローン住宅を売却する場合には、任意売却を行うことになります。任意売却を行う際に発生する主な諸費用としては、仲介手数料や登記費用、印紙代などが挙げられます。ただし、任意売却では、不動産売却にかかる諸費用は売却金から差し引くことが認められています。また、交渉次第では新しい家への引越し代金についても諸費用として認められるケースもあります。
残債の処分方法を検討する
任意売却を行った後、売却金で返済しきれないローンの残債をどのように返済していくかを決める必要があります。この返済方法については、後々問題とならないように公正証書などにより返済の取り決めをしておいてください。
売却完了
不動産の売却が完了します。残債分与や残債の返済方法など、あらかじめ取り決めた内容がしっかりと履行されているかチェックしておくことが大切です。
離婚時のオーバーローントラブルを防ぐ!「公正証書」作成と確認ステップ
ステップ1. 正確な「ローン残債」と「不動産査定額」を把握する
まずは、残高証明書により正確なローンの残債を確認することと、現在住んでいる家の不動産査定額を把握することが必要となります。ここでのポイントは、査定は複数社に依頼する点です。いくつかの会社に訪問査定を依頼すれば、相場を踏まえた査定額の把握が可能になります。
ステップ2. 滞納や連絡不通に備えて「強制執行認諾条項付き公正証書」を作成する
この先、ローンの滞納や連絡がつかなくなった時のために、強制執行認諾条項付き公正証書を作成することが大切です。この書類を作成しておくことで、万が一支払いが滞った場合にも裁判などを行わず、相手の給与や財産の差し押さえを行えます。
ステップ3. 養育費や生活費の取り決めとローン負担の明文化
離婚後の養育費などについての取り決めも重要なポイントです。また、離婚後の生活費を元配偶者に支払うよう法的に強制はできませんが、例えば専業主婦だった配偶者が離婚により生活基盤を失うケースなどにおいては、経済的に自立するまでの期間、扶養的財産分与という形で生活を支えるための金銭を受け取れる可能性もあります。
また、今後の住宅ローン負担に関しても明文化しておく必要があります。
離婚とオーバーローンの家に関するよくある質問(Q&A)
Q1. 住宅ローンを払えないまま放置すると家はどうなりますか?
住宅ローンの支払いを滞納すると、金融機関から支払いを求める通知が届きますが、さらに滞納が続いた場合にはローンの残額の一括返済を求められます。それでも支払いが行われない場合には、対象の不動産が差し押さえられて、競売を申し立てられるという流れになります。
Q2. 夫が任意売却に同意してくれない場合はどうすればいい?
夫が任意売却に同意してくれない場合には、まず弁護士や不動産会社などの専門家を交え、このまま放置すると競売にかけられるといった事情を説明しながら交渉を行う方法が考えられます。ただし、当事者同士の話し合いが難しい状況であれば、離婚調停や裁判で第三者を交えて解決を図るといった方法もあります。
まとめ:オーバーローンの悩みは弁護士・不動産のプロへ早期相談を
こちらの記事では、離婚が決まったものの家を査定した結果オーバーローンとなっている場合の対処方法について解説してきました。このような問題には、複雑な権利関係がかかわってくるケースもありますし、任意売却や公正証書の作成を行う必要があるケースもありますが、自分だけで進めようとせずに専門家と進めていくことが鉄則といえます。
不動産あんしん相談室は、離婚時の不動産トラブルに詳しいコンサルタントが在籍しており、弁護士と連携しながら対応してくれるのも心強いといえます。LINEでも無料相談に対応しているため、ぜひ早い段階で相談をしてみてください。
