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離婚後、住宅ローンを返済中の家に妻が住み続けるためのステップは、まず査定を依頼して家の価格を確認した上でローンの借り換えの仮審査を受けます。その後、離婚の成立・借り換えの実行という流れで進めることになります。現在住んでいる家にそのまま住み続けたいと考えている方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
住宅ローンの借り換えとは?
住宅ローンの借り換えとは、新たな住宅ローンを借り入れて、現在返済中の住宅ローンを一括返済すること。現在の住宅ローンよりも金利の安いローンにすることで、毎月の返済額や返済総額を減らすことも可能です。
借り換えによって債務者を変更することもできるので、離婚の際、夫名義の家を妻名義に変更して、家の所有者とローンの名義人を一致させる場合にも利用されます。
離婚時に「住宅ローンの借り換え」が必要な理由
離婚しても住宅ローンはなくならない
ローンの契約形態はさまざまあり、契約の内容によっては「夫単独名義」だったとしても、妻側に返済義務が残り続けるケースがあります。例えば妻が連帯保証人となっている場合には、離婚したとしてもローンの支払い義務はなくならないため、万が一夫のローン返済が滞った場合には、妻が支払いを行う必要があります。
銀行は「名義変更」だけでは認めてくれない
住宅ローンは、契約者の信用力に加えて「本人がその家に住むこと」を条件に融資されています。そのため、夫名義の家の場合、離婚時に「今後は妻がその家に住む」という内容の離婚協議書を作成したとしても銀行との契約には影響を与えません。
住み続ける人が、ローン・家の名義人となる必要がある
住宅ローンが残っている家に住み続けるには、「ローン名義人」「家の名義」「その家に住む人」の全てが一致している必要があります。ローンの名義変更はできないため、借り換えを行ってローンの名義人を自分にすることが必要です。
住宅ローンの借り換えを成功させる3ポイント
ここでは、ローンの借り換えを行う際の審査ポイントを解説していきます。ここでは、住宅ローンを扱っている金融機関1,175行を対象としたアンケート結果をもとにしていますので、借り換えを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
出典:令和7年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書│国土交通省(https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001991057.pdf)
【返済能力】一人の年収で「返済負担率(30〜35%以内)」をクリアする
1つ目のポイントとして、「返済能力」が確認されます。具体的には、ローンを借りる1人の年収のみで返済負担率(30〜35%が一般的な目安)をクリアできるかがポイントになってきます。年間負担率が高い場合には、借入期間を延長することにより毎月の返済額を圧縮するなどの対策が考えられます。
パート・派遣・勤続年数が浅い場合
調査によると、95%の金融機関では「借入時の年齢」「完済時の年齢」「健康状態」をみています。この点から、雇用形態は審査のポイントの一つではあるものの、順位が低いケースもあります。そのため、雇用形態に制限のない金融機関で住宅ローンを検討するといったように、非正規雇用でも借入対象になるのかをあらかじめ確認しておくことがおすすめです。
また、ローンの審査時に養育費を合算できるケースもあります。ただし、養育費を安定継続収入として扱うためには、その継続性と確実性が証明できることが条件となります。
【担保価値】不動産の価値を高くする
住宅ローンの審査では、物件の担保価値も見られています。そのため物件の担保価値が低いと審査に通らないケースもあります。この担保価値には建物の状態や土地の立地など複数の要素が関係しており、金融機関ごとに独自の基準を用いて算定を行います。このような点から物件の状態を良くしておくことは、担保価値の観点から見ると決して無駄ではないと考えられます。
【証拠】銀行が重視する「離婚協議書・公正証書」を用意する
離婚する際に「離婚協議書」や「公正証書」を作成することも重要です。例えば養育費を収入に合算させたい場合、このような書類の提出により、「将来にわたって安定的に支払いが行われる」という点を証明できます。このように、離婚協議書や公正証書によって財産分与や養育費の取り決めを法的に明文化することによって、銀行側に「返済リスクが低い」と判断してもらえます。
査定額とローン残高の比較と対処法
不動産の価値は不動産屋へ
借り換えを行う場合には、まず不動産の価値を正確に把握しておく必要があります。不動産屋に査定の依頼を行うことで、家を売却した場合にはどの程度の金額になるのかを確認できます。
オーバーローン時に借り換え審査を通すコツ
査定を受けた結果、オーバーローンであることが判明することもあります。このような場合、どう対応していけば良いのか悩んでしまうこともあるかもしれませんが、ここで確認したいのが「担保評価額のどの程度まで融資が可能か」というアンケートの結果です。
- 100%以内:回答数224
- 150%以内:回答数29
- 200%以内:回答数191
- 300%以内:回答数51
- その他:回答数127
上記の結果から、担保評価額の2倍まで借り入れを行える可能性もあると判断できるため、オーバーローンだからといってあきらめる必要はないといえます。そのほか、預貯金を活用して繰上げ返済することによって担保不足を解消する、担保評価に柔軟な金融機関を活用するといった対策が考えられます。
出典:令和7年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書│国土交通省(https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001991057.pdf)
住宅ローン借り換えの最適なタイミングと注意点・費用
申し込みのタイミングは「離婚前(仮審査)→ 離婚成立(実行)」
借り換えを希望する場合には、離婚前に仮審査を受けて仮承認を得ておくことがポイントです。早めに動いておけば、離婚が成立した後に「ローンが組めない」と困ってしまうリスクを回避できます。
借り換えにかかる諸費用
住宅ローンの借り換えを行う際には、諸費用がかかる点をあらかじめ念頭に置いておくことも大切です。例えば、保証会社に支払う「ローン保証料」や、加入する火災保険の料金である「火災保険料」、登記費用などさまざまな費用が含まれます。一般的に住宅ローンの乗り換え時にかかる諸費用の目安は、借入額の3〜8%ほどとされています。
参考:お金のトリセツ(https://www.fundex.co.jp/contents/post/103)
「贈与税」がかからない財産分与の知識
財産分与により家を取得したケースでは、原則として贈与税がかかりません。これは、贈与を受けたわけではなく財産分与請求権に基づいて家を取得したためです。ただし、分与された財産の額が、婚姻中の夫婦の協力により得た財産の額や、そのほかの事情を考慮しても多すぎると判断された場合には、贈与税がかかる点に注意が必要です。
団体信用生命保険(団信)の再加入と健康状態
住宅ローンの借り換えを行う場合には、新規でローンを組む形になります。この時、団体信用生命保険(団信)への再加入が必要となるため、借り換えを行うタイミングでの健康状態が重要となります。
もし持病を持っていると団信への加入が難しくなるケースもありますが、その場合には持病を持っていても加入しやすい「ワイド団信」が用意されている銀行を選ぶ、という点を検討すると良いでしょう。
不動産あんしん相談室
神田 加奈氏
離婚後もローンのある家に
住み続けたいなら
不動産屋さんへ相談
離婚後も家に住み続けるには、家の市場価値と住宅ローンの状況を知ることが大切です。売却すればローンが完済できるのか、それとも名義変更や借り換えが必要なのか、状況によって選択肢が変わります。
「ローン名義を自分に変更できる?」「借り換えや支払い方法の調整はできる?」「住み続ける場合、財産分与はどうなる?」そんな疑問や不安は、不動産の専門家に相談するのが確実です。
不動産あんしん相談室は、全国に弁護士や専門家のネットワークを持つ不動産会社です。LINEなら24時間体制でサポートを行っていますので、ひとまず気軽にご相談ください。
住宅ローンの借り換え時に
よくある失敗事例
借り換えの審査に通らなかった
一度、住宅ローンの審査を通っているからといって、借り換え時の審査も通るとは限りません。最初のローンの審査時よりも年収が減っていたり、車など別のローンを組んでいたりすると、返済負担率が基準を超えて、借り換えが難しくなることも。
また、健康状態が悪化していると、団体信用生命保険への加入ができず、これによってローンの審査に通らないというケースもあります。
さらに、これまでの住宅ローンの引き落としに不備があったり、クレジットカードの支払い延滞で信用情報が記録されていたりすると、借り換え時の審査に落ちる原因となります。
十分に比較せずに借り換え先を決めた結果、支払額が増えることに…
例えば、全期間固定型または固定期間選択型の金利から、変動型の金利へ借り換えた場合、借り換え当初の金利は低かったものの、その後、金利が上昇し、返済額や総支払額が増えてしまうというケースがあります。
また、借り換え時の手数料や諸経費についても金融機関によって異なるため、十分、比較検討してから、借り換え先を決めるようにしましょう。
離婚で持ち家はどうする?ローン・名義別に財産分与の対応方法を解説
不動産あんしん相談室で
離婚時の住宅ローン借り換えに成功した事例
夫が病気で手続きが難航しながらも
離婚後のローン名義変更に成功した事例
離婚に伴い、夫名義となっている自宅の名義変更と住宅ローンの借り換えを希望されていた奥様からのご相談です。ご主人が心の病を抱えていたため、本人による主体的な手続きや話し合いがスムーズに進まないという深刻な問題を抱えておられました。また、相談者自身も仕事で多忙を極めており、4人のお子様を育てながら複雑な不動産・ローンの事務作業を一人で進めることに対して、精神的・時間的に限界を感じていらっしゃる状態でした。
不動産あんしん相談室
神田 加奈氏
住宅ローンの借り換えに加え
太陽光発電の名義変更も併せて対応
奥様もご多忙な中、お時間を捻出していただいたため、直接お話をお聞きし、安心して手続きを進めることができました。見落としがちなことですが、家とローンに加え、太陽光発電といったすべての名義を奥様へ一本化できました。
お子様たちと心穏やかに暮らせる環境が整ったので、大変うれしく思います。
Wワークでもローン通過、離婚後の自宅を自分名義にした事例
結婚を機に、ご主人がローンを組んで購入された中古住宅。しかし、ほどなくして離婚という結論に至りました。名義人であるご主人は家を出ましたが、奥様はこの家への愛着が強く、そのまま住み続けることを希望されました。「自分の名義に変更して、安心して暮らし続けたい」――。しかし、現実はパートとアルバイトのWワーク。低収入であることを理由に、大手金融機関では相談さえも難しい状況でした。
不動産あんしん相談室
神田 加奈氏
粘り強い交渉で勝ち取った自名義での再出発
ご相談時、まずは「他人名義の家に住み続けるリスク」を丁寧にご説明し、将来の不安を断つために「買い戻し」を最優先に掲げました。
注力したのは、円満な協力体制の構築です。感情的になりがちな離婚後のやり取りをプロの視点で仲介し、ご主人にもメリットを感じていただける形で合意形成をサポートしました。
また、Wワークで収入が少ないという審査の壁に対しても、独自のノウハウで最適な金融機関を選定し、書類作成まで徹底的に並走。一時は自信をなくされていたお客様と二人三脚で歩み続け、無事にローン審査を通過。念願の「自分名義のマイホーム」への書き換えを実現しました。
短い勤続年数と「親族間売買」の壁。離婚に伴う住宅ローンの借り換えをどの銀行からも断られた危機
離婚に伴い、自宅の住宅ローンを奥様名義からご自身の単独名義へと変更し、実質的な「借り換え」をして住み続けることを希望されていました。早く手続きを終えて奥様側がひとり親控除や養育費の申請を進められるよう、お二人とも非常に協力的でしたが、相談者様の「勤続年数の短さ」に加え、離婚時の名義変更は銀行が最も警戒する「親族間売買(元夫婦間の取引)」にあたるため、どの金融機関からも住宅ローンの借り換えを一律で断られ、八方塞がりの状態で当相談室へ連絡をいただきました。
不動産あんしん相談室
神田 加奈氏
離婚時の住宅ローン借り換えに強い専門ノウハウで突破!疑問に答える丁寧な対話で引き出した融資承認
私たちは、他社や一般の銀行窓口では対応できない難度の高い「離婚に伴う住宅ローンの借り換え(名義変更ローン)」でも融資可能な金融機関を選定。なぜ審査に通るのかという理由まで、専門知識を交えて分かりやすく説明しました。ご質問の多いお客様へ、遠方からの必要書類の準備をLINEで細かく指示し不安を払拭。昨年のうちに無事ローン審査を完了させ、他社で不可能と言われた「名義変更とローンの借り換え」を大成功へと導きました。
借り換えができない場合の「第2の出口戦略」
ローンの審査を受けたものの、審査に落ちてしまうこともあります。ここでは、すぐに家を諦める前に検討するべき代替案を紹介しています。
親族間売買や親の協力でローンを一本化する
考えられる方法として、たとえば自分の年収が足りない場合には親に連帯保証人になってもらう方法や、親が家を買い取るという形にしてローンを一本化する方法があります。また、親子リレーローンを活用する選択も考えられます。これは、親と協力してローンを組み、負担を分散させる方法です。ただし、あらかじめ銀行に対して個別での交渉が必要となりますので、早めに相談しておくことが重要であるといえます。
任意売却を検討すべきタイミング
「任意売却を検討するべきタイミングとしては、「ローンを払えない」と分かった瞬間に動くことが必要といえます。滞納が始まってからだと、検討するタイミングとしては遅いといえます。タイミングが遅ければ銀行からローンの一括返済を求められてしまう、競売にかけられるといったリスクがあります。このような状況になる前に自分の意思で高く売却を行うための任意売却に切り替えを行い、進めていく判断をすることが大切です。
リースバックの活用
「リースバック」という方法を活用する方法もあります。この方法では、専門会社に家を買い取ってもらい、その資金でローンを完済します。ローンを完済した後は、家賃を支払いながら今の家に住み続けられます。
引っ越しをする必要がなく、これまでと環境を変えずに済みますので、「子どもの転校を避けたい」「離婚したことを近所に知られたくない」といった場合に非常に有効な方法です。現在の家に住み続けたいという希望がある場合にはリースバックを検討してみてください。
離婚時に住宅ローン返済中の家はどうする?対処法・トラブル・注意点を解説
離婚時の住宅ローン借り換えでよくある質問(Q&A)
Q1. 同一の金融機関内で単独名義に借り換え(条件変更)はできる?
原則として、住宅ローンの借り換えは同一の金融機関で行うことはできません。そのため、借り換えを行う場合には新たな金融機関での審査や手続きが必要となります。
Q2. 住宅ローンの返済を「養育費代わり」に払ってもらうのはアリ?
離婚後、元配偶者に養育費の代わりに住宅ローンを支払ってもらうことは双方の合意があれば可能ですが、住宅ローンの支払いが滞った場合、自宅が競売にかけられてしまうリスクがある点には注意が必要です。このリスクを回避するためには、離婚協議書や公正証書に離婚条件を記載しておくことが大切です。特に、公正証書において強制執行認諾文言を記載しておけば、万が一滞納があった場合にも裁判などを行わずに強制執行を申し立てられます。
不動産あんしん相談室
神田 加奈氏
名古屋への出張サポートと付帯設備まで含めた名義一本化を完遂
相談者の負担を軽減するため、専門スタッフが現地へ直接赴き、対面でのヒアリングを実施して課題を整理しました。ご主人の体調を考慮しながら慎重に手続きを代行し、難航が予想された住宅ローンの借り換えと所有権の移転を遂行。さらに、見落としがちな太陽光発電設備の名義変更まで漏れなくサポートを行いました。結果、すべての名義を奥様の単独名義へと一本化することに成功し、お子様たちと安心して暮らせる生活基盤を整えることができました。
離婚後に住宅ローンの借り換えを行うことは、連帯保証人や連帯債務を解消するといった点に加え、元配偶者との法的な縁を完全に切るための手段でもあります。ただし、実際にはローンの借り換えに伴って審査が厳しく借り換えができないなどの問題が出てくるケースも考えられますので、早い段階での専門家への相談が大切です。
もし、どのような専門家に相談すれば良いのかわからない、という場合には、本サイトに掲載しているセルフチェックシートを活用することがおすすめです。ぜひ自分に合った相談先を探してみてください。
まとめ
住宅ローンの審査を成功させるためには、専門家のサポートを受けることが大変有効です。金融アドバイザーやローンコンサルタントは、市場の最新情報をもとに最適なローン商品を選び、申請書類の準備から審査のプロセスに至るまで、専門的なアドバイスを提供してくれます。
特に、離婚後に新たに住宅ローンを組む場合など、個々の状況に合わせた最良の戦略を立てるために、その経験と知識は非常に価値があります。
専門家のサポートを利用することで、審査の通過率を高め、より安定した財務計画を実現することが可能ですので、まずは相談してみてはいかがでしょうか。
