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離婚後、住宅ローンを元配偶者が返済すると決めていても、自分が連帯保証人やペアローンの場合は返済義務が自分に及び、最悪は自己破産に至る可能性があります。ここでは、離婚後に住宅ローンが原因で破綻しないためのポイントを紹介します。
自己破産とは
自己破産とは、借金を返済できなくなってしまった人が裁判所に対して申し立てを行い、財産があれば換金するなどして債権者に公平に配当した上で、残りの借金の全額について支払いを免除してもらうことを指します。もし離婚後に住宅ローンの返済ができずに破産してしまった場合、不動産は換価の対象となり売却されてしまうため、住む場所を失うという状況になります。引越しや転職、転校などを余儀なくされる可能性も考えられます。
離婚後にローンの返済義務が残るケースとしては、オーバーローンとなっている場合や、連帯保証人になった、ローンの借り換えを行って不動産を取得したといったケースが考えられます。
自己破産するとどうなる?
自己破産をすると、財産や住むところなど全て失ってしまうと思われがちですがそうではありません。自己破産で処分する財産は持ち家や車、預貯金など一定額以上の財産で、生活に必要な家財道具、最大99万円までの現金などは手元に残すことができます。賃貸住宅であれば出ていく必要はなく、そのまま住み続けることができます。
自己破産後はブラックリスト扱いとなり5~10年間は新規クレジットカード契約や借入契約ができなくなります。ただし、家族が連帯保証人になっていなければ、家族の財産・預貯金が処分されることはありませんし、就職や引っ越しにも影響ありません。
離婚時に住宅ローン返済中の
家はどうする?
対処法・トラブル・注意点を解説
離婚で自己破産が起こる原因
離婚する場合には、自宅とローンの問題が必ずといっていいほどついてきます。この場合、住宅ローンによって経済的に破綻する可能性が大きくなります。ここでは、離婚で住宅ローンが破産してしまう原因についてまとめました。
オーバーローンの場合、売却しても債務は残る
家を売却しても、残りのローンを返済できない状況をオーバーローンと呼びます。この場合には、離婚する際にそれまで住んでいた家を売却できたとしても、債務は残ってしまうことからローンの返済義務が続きます。
単独名義でも収入合算されている
家を購入する際に、世帯主1人の収入では審査を通るのが難しいケースの場合、「収入合算」を提案されることがあります。夫婦2人の収入を合算して見てもらうことによって借入可能額を増やせるのです。このようなケースでは、本来1人で借入できる以上のローンを組めるため、離婚後に支払いが苦しくなってしまいます。
ペアローンの返済は残り続ける
ペアローンとは、夫婦それぞれが住宅ローンを組む方法であり、借入金額を増やせます。夫婦それぞれが債務者となり合計2本のローンを組む形となり、相手方のローンにおいてはお互いが連帯保証人なります。
この場合、離婚後もお互いがそれぞれの借入したローンを抱えたままとなります。さらに、連帯保証人となっているため、元配偶者が支払いを滞納した場合には2倍の返済が必要になり、支払いが苦しくなるというケースが考えられます。
連帯保証人としての責任が残る
前述のペアローンを組んだ場合にはお互いが保証人となっていますし、単独名義の場合でももう片方が連帯保証人となっているケースもあります。この場合には離婚しても連帯保証人としての責任が残るため、元配偶者がローンの返済を滞納した場合には返済を行うことが求められます。中には、一括返済を求められるケースもあります。
不動産あんしん相談室
神田 加奈氏
住宅ローンがあるけど離婚するなら、
まずは不動産屋さんに相談
住宅ローンがあるものの離婚することになった場合、家の売却金額を査定してもらう必要がありますが、その結果オーバーローンとなる場合には任意売却を行うなどの選択肢が考えられます。
離婚に伴う財産分与や残債の負担割合で揉める可能性がある場合には、弁護士に相談することがおすすめです。不動産あんしん相談室は、離婚に強い不動産会社であることから弁護士との連携も可能です。LINEでの相談も可能となっていますので、ひとまず気軽にご相談ください。
元夫の自己破産が元妻に与える影響
妻が「連帯保証人・連帯債務者」である場合
妻が連帯保証人・連帯債務者になっている場合は、夫と同じ返済義務を持ちます。そのため、夫が支払えなくなった住宅ローンなどの借金は妻が返済しなければいけません。
離婚をしても連帯保証人である状態が解消できていなければ、銀行などの債権者は全額妻に請求することができますし、それを拒否することができません。連帯保証人の怖いところは、まだ夫に返済能力がある場合や借金の一括返済を求められた場合でも妻が返済しなければいけないということです。
離婚しただけでは連帯保証人から外れることはできません。離婚時に夫が返済することを取り決めていても連帯保証人には返済義務が残ることになりますので、連帯保証人から外れるようにするのが良いでしょう。
ペアローン解消前に一方が破産した場合
ペアローンでは、夫の連帯保証人が妻、妻の連帯保証人が夫になっています。先ほど紹介したケースと同様、連帯保証人になっている以上は相手の支払いが滞ると必ず返済しなければいけない義務があります。
妻の返済分と合わせて夫分の返済も行わなければいけなくなるため負担が大きくなりますし、妻の給与・預貯金などが差し押さえられてしまうリスクがあります。ペアローンの場合も、離婚をしたからといって連帯保証人の責任がなくなるわけではなく返済義務は残ります。
また、ペアローンでは家の持ち分割合もローン負担分に応じて決まっていますが、夫が滞納したからと言って夫の持ち分だけが差し押さえられるわけではなく、家全体が競売対象となる恐れもあります。
あなたが「物上保証人(担保提供のみ)」である場合
妻が自分の財産を他人の債務の担保に提供する物上保証人になっている場合は、担保を提供しているだけで借金を負担しているわけではありません。万が一、夫が返済できなくなったとしても、担保となる物件を失うことになりますが、それ以上の返済義務を負うことはなく給与が差し押さえられてしまうことはありません。
離婚時に「公正証書」を作っていた場合
離婚する際に住宅ローンの支払いについて元夫が支払うことを公正証書に記載している場合、妻が返済を求められても夫に請求してもらうための根拠とすることができます。ただし、あくまでも夫婦間の取り決めであり、銀行に対しては強い効力を持つわけではありません。
また、自己破産をしてしまうと公正証書を作成した借金の支払い義務も免責となってしまい、夫の支払い義務はなくなってしまいます。公正証書があっても妻が連帯保証人になっていれば妻に支払い義務が発生することになるため注意が必要です。
離婚で住宅ローン破産しないための対処法
離婚による住宅ローン破産を防ぐには、どのような対処方法があるのかを知っておくことが大切です。ここでは、住宅ローンで破綻しないために離婚前・離婚後にできる方法についてまとめました。
養育費や慰謝料は無理な金額設定をしない
離婚する際、住宅ローンが残っているケースにおいて、養育費や慰謝料の代わりとして住宅ローンの負担をする、という約束をする場合もあります。しかし、最初のうちは支払いが行われているものの、途中で支払いが行われなくなる可能性もあります。実際に、元配偶者から養育費の支払いが滞るケースはゼロではありません。このようなケースを防ぐためにも、養育費や慰謝料は無理な金額設定をしないという点もポイントのひとつといえます。
また、可能であれば滞納された時に法的手段に移行しやすくするために、養育費と住宅ローンは別で取り決めを行うことがおすすめです。
家をなるべく高く売る
もし住宅ローンの支払いが残ったとしても、少しでも家を高く売れればその分支払わなければならない額を減らせますので、「できる限り高く売却する」という点を目指すことも重要です。そのためにも、信頼できる不動産会社を探すことがポイントのひとつといえます。家を売却する場合、通常の売却が最も高く売れる売却手段といえますが、時間がかかるケースが多いためできるだけ早めに動くことが大切であるといえます。
任意整理を活用する
任意整理とは、クレジットカードやカードローンなどの返済を見直す手続きとなります。ただし、住宅ローンを組む場合には住宅には抵当権が設定されることが一般的です。住宅ローンの支払いが滞った際に債務者はこの抵当権を元に住宅を競売にかけて債権の回収を行えます。そのため、住宅ローンそのものの任意整理は難しいといえます。
ただし、任意整理で住宅ローン以外の借金を整理することで借金の支払い総額を減らせるため、住宅を手放さずに済む可能性があります。ただし、住宅ローンの支払いが難しい場合に任意整理が有効なケースとしては、住宅ローン以外の借金が多いケースとなり、支払いが住宅ローンのみという場合には任意整理を行えません。
個人再生を活用する
個人再生は、借金を最大で10分の1まで減額して3~5年で分割返済する手続きです。借金を大きく減額することで、返済計画を立て直すことができるようになります。個人再生には住宅ローン特則と呼ばれる住宅資金特別条項があり、住宅ローンを残したまま他の借金を整理できるため家を手放さずに借金減額が可能です。
個人再生は住宅ローンを引き続き返済し続けることになるため、安定した収入がある人でなければ利用できません。ただし、自己破産と違い資格制限がなく、どの職業に就いていても手続きできます。
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| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 自己破産 | ・借金が全額免除される ・弁護士に依頼した時点で督促が止まる |
・一定額以上の財産を失う(自宅・預貯金など) ・資格・職業制限がある ・免責不許可事由がある ・官報に掲載されてしまう |
| 個人再生 | ・借金を大きく減額できる ・自宅(住宅ローン)を残して手続きできる ・借金の原因は不問(ギャンブル・浪費でも手続き可) ・職業や資格の制限がない |
・返済義務が残る ・手続きが複雑で専門家の協力が不可欠 ・官報に掲載されてしまう |
任意売却をする
住宅ローンの支払いが厳しい場合、任意売却を行うという選択肢も考えられます。任意売却の場合は市場価格に近い価格で売却が可能であるため、競売にかけられた場合によりもローンの残債を少なくできます。さらに、任意売却の場合、債務者との交渉により残債務の支払い条件についても柔軟に対応してもらえることもあります。
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| 競売 | 任意売却 | |
|---|---|---|
| メリット | ・手続きを全て任せられる | ・市場価格に近い価格で売却できる ・残債が減る可能性が高い ・任意売却したことが周囲に知られにくい ・退去時期の相談ができる ・売却額から引っ越し費用を確保できる |
| デメリット | ・市場価格よりも安くなってしまう ・残債が残る可能性が高い ・周囲に競売が知られてしまう ・退去時期を選べない |
・債権者全員の同意が必要 ・手続きが複雑で専門家の協力が欠かせない ・買い手が見つからなければ競売に移行するリスクがある |
親族間売買・リースバック
自宅の所有権を移すことで住み続けられる方法が2つあります。1つが親族間売買です。親族間売買は親族間で自宅を売買するものであり、売却代金で住宅ローンを完済します。事前に相談しておくことで、売却後も継続して住み続けることができます。このとき、所有者は購入した親族となります。
もう1つの方法がリースバックです。不動産会社や投資家に自宅を売却し、その費用で住宅ローンを完済します。その後、買主に家賃を支払う形で自宅に住み続けることができます。将来買い戻すことも可能ですが、買い戻し期間が決まっているため確認が必要です。
破産直前の財産分与は「無効」になる可能性がある
「詐害行為取消権」のリスク
債務者は、すべての債権者に対して平等に返済しなければいけないルールがあります。詐害行為取消権はこのルールに反して一部の債務者に弁済したり財産を不当に流出させたりした場合、その行為を取り消すことができるものです。
自己破産直前に自宅を無償で贈与する、ローン残高がより高額で知人に売却するなどを行ってしまうと、詐害行為として取り消し対象となる恐れがあります。
正当な財産分与と「財産隠し」の境界線
離婚に伴う財産分与は、正当な権利です。しかし、自己破産直前の離婚・持参分与は財産隠しを疑われる要因となります。正当な財産分与は、夫婦の共有財産を原則半分に分けていること、離婚の成立に伴うことなどが該当します。離婚をしても同居を続けていると財産隠しと判断される恐れがあるので注意が必要です。
自己破産前に財産を残すために意図的に預貯金や保険の解約返戻金を隠す、名義を変更すると、財産隠しと判断されます。
離婚で持ち家はどうする?
ローン・名義別に財産分与の
対応方法を解説
住宅ローン破綻を回避するために今すぐすべきアクション
任意売却に強い不動産会社と弁護士、どちらに先に相談すべき?
住宅ローンの支払いを解決すれば自己破産を防ぐことができるのであれば、まず任意売却に強い不動産会社に相談しましょう。専門の不動産会社に相談することで、培ってきたノウハウで競売を避けるための手続きや売却手続きをスムーズに進めてもらうことができます。
ただし、住宅ローン以外にカードローンなどの借金がある場合は、弁護士に相談して債務全体を整理することが必要です。離婚や相続に関するトラブルが絡む場合も、弁護士に相談することで問題を整理しながら手続きを進められます。
離婚と住宅ローンは、残債の状況や収入の状況によって千差万別です。そのため、相談するべき専門家や順番も異なってきます。しかし、実際このような場面に直面した場合には「誰に相談すれば良いの?」と迷ってしまうこともあるかもしれません。
チェックシートを利用する
このような場合に、「誰に相談すれば良いの?」という点で困らないためにも、本サイトのトップページにセルフチェックシートを用意しています。どのような専門家に相談するべきか迷ったら、ぜひ活用してみてください。用意された質問に答えていくだけで自分に合った相談先が見つけられます。
