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夫婦どちらかの親名義となる土地を無償で借りて家を建てる例は、決して珍しくありません。また、夫婦どちらかの親から資金援助をしてもらって家を建てる例も多々見られます。
このままの状態で夫婦が円満に暮らしていけることが理想ですが、もし家や土地に義両親名義が関与した状態で夫婦が離婚することとなった場合、何らかのトラブルに発展する恐れがある点に注意しましょう。
当ページでは、義両親の名義が関与する不動産の財産分与、および、離婚後も引き続き同じ家に住み続ける方法について解説しています。
義両親名義の不動産と財産分与
住宅の購入に際し、夫婦どちらかの親が関与している2つのケースについて、財産分与の考え方を確認しましょう。
義両親に住宅購入の援助をしてもらったケース
義両親に住宅購入の援助をしてもらい、かつ援助分に相当する持分を義両親の名義とした場合、義両親の持分は夫婦の共有財産になりません。住宅の評価額から義両親の持分を差し引き、その残額を夫婦の財産分与の対象とするのが原則です。
義両親名義の土地に住宅を建てたケース
義両親名義の土地に夫婦が住宅を建てた場合、財産分与の対象は建物のみとなります。土地は財産分与の対象になりません。
親名義の不動産の財産分与については、以下のページに詳しく説明しています。参考にしてください。
離婚後も義両親名義の家に住み続ける方法
義両親の名義が関与する住宅の場合、財産分与で事が解決することもありますが、中には「離婚後もこの家に住み続けることはできないか?」と考える方は少なくありません。
結論からいうと、義両親の名義が関与する住宅でも、そのまま住み続けることは可能です。住み続けるためには、以下4つのいずれかの形を検討することとなります。
自宅も土地も自分が買い取る
パートナーや義両親から自宅も土地も買い取れば、そのまま同じ家に自分が住み続けられます。
ただし、買い取るためには相応の資金が必要です。現金を用意できない場合は金融機関でローンを組む形になると思われますが、住宅と土地を買い取るための十分なローンを組めるかどうか、申込人の属性によっては極めて微妙な案件になるでしょう。
自宅も土地も第三者に売却した上で借りる(リースバック)
自宅も土地も第三者に売却し、その第三者から借りる形で同じ家に住み続けることができます。この手法をリースバックと言います。
ただし、自宅と土地を第三者に売却するためには、パートナーはもとより、名義人である義両親の承諾も必要となることは言うまでもありません。
自宅のみ買い取って土地は借りる
自宅(建物)のみパートナーや義両親から買い取り、土地は借りる形とすれば同じ家に住み続けられます。
自宅を買い取る場合には、相応の資金を用意する必要がありますが、現金払いが難しければ、金融機関でローンを組む必要が生じるかもしれません。
なお、土地を借りる契約には、賃料を支払う賃貸借契約と無償で借りる使用貸借契約の2種類があります。無償で借りるためには、子どもの将来等も交えながら冷静に話し合う必要があるでしょう。
自宅も土地も借りる
自宅(建物)も土地も借りる契約を結べば、引き続き同じ家に住み続けられます。
上述と同様、借りるための契約には賃貸借契約と使用貸借契約の2種類があります。しっかりと話し合い、できれば無償で借りられる使用貸借契約を結べることが理想です。
不動産あんしん相談室

神田 加奈氏
離婚と不動産のプロに相談して
円滑な問題解決を目指しましょう
義両親名義となっている家に住んでいる状態で離婚することになったものの、これからもこのまま住み続けたいと考えるケースもあるでしょう。そのためにはさまざまな手続きが必要となりますが、自分ではどう進めていいかわからないケースもあるかもしれません。このような場合には、不動産会社に相談することがおすすめです。
不動産あんしん相談室は、全国にある弁護士事務所とネットワークを持つ不動産屋です。24時間オンライン相談も可能なので、お気軽にお問い合わせください。
※その後30分毎に5,500円(税込)で対応可
義両親名義の不動産リスク
そもそも、義両親名義の土地に家を建てることは様々なリスクをはらんでいるため、決しておすすめできません。主な2つのリスクを見てみましょう。
使用貸借契約には法的な権利・保護がほとんどない
賃料の支払いを前提にした賃貸借契約の場合、借地借家法により借主は手厚い権利・保護が約束されます。
一方、賃料を支払わずに土地を借りる使用貸借契約の場合、借地借家法の適用外となるため、法的な権利・保護は極めて薄くなります。
土地を所有する義両親の言いなりになりやすい
法的な権利・保護が薄くなる以上、仮に離婚をめぐって双方が険悪な雰囲気となり、土地の名義人である義両親から「建物を壊して出ていけ」と言われれば、その通りにせざるを得ないかもしれません。建物を解体して土地から出たとしても、住宅ローンの支払いは残り続けます。
不動産あんしん相談室

神田 加奈氏
離婚と不動産で権利者ともめているなら弁護士に相談
離婚するにあたって、土地の名義人である義両親から「建物を壊して出ていけ」と言われてしまうなど、離婚問題から関係がこじれてしまった場合には、まずはその問題から解決していく必要があります。
一般社団法人不動産あんしん相談室は、離婚と不動産に関する問題に詳しい弁護士とのネットワークを構築していて、離婚にまつわる不動産問題も相談できます。自分ではどうすることもできないと思っていても、専門家に相談することによって解決の糸口が見つかる可能性もありますので、トラブルに悩んでいる人は、相談してみてはいかがでしょうか。
住宅購入時には義両親名義を関与させないことが無難
義両親名義が関与する不動産の財産分与、および、離婚後も引き続き同じ家に住み続ける方法について解説しました。
義両親からの資金援助や土地の無償提供は、その時点では「ラッキー」なことかもしれませんが、離婚時に思わぬトラブルへ発展する恐れがある点も理解しておかなければなりません。可能であれば、義両親の名義が関与しない形で住宅の購入を検討したいものです。