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こちらの記事では、離婚に伴う不動産の名義変更を行う場合について、どのタイミングで手続きを行うのか、という点について紹介しています。また、名義変更を行うための流れや必要書類、費用もまとめました。
離婚で家の名義変更が必要な理由
離婚後も元配偶者名義の家に住み続ける場合には、さまざまなリスクが考えられます。例えば、不動産登記場の名義人が元配偶者のみになっている場合には、自分が知らない間に第三者に家を売却されてしまう可能性があります。
また、夫婦で共有名義となっているケースでは、自分の一存で家全体の売却が行えないという状況になります。ただし、自分の持分のみであれば、相手の同意なしでの売却が可能です。そのため、共有名義をそのままにしておくと、自分の知らないところで元配偶者が自分の持分を売却することにより、知らないうちに知らない人との共有持分となっている可能性も考えられます。
このように、離婚後に家の名義変更を行わないと多方面でのリスクが考えられるため、手続きを行っておくことが大切といえます。
結論!不動産の名義変更は「離婚届を出した後」に行う
離婚に伴う不動産の名義変更について「結局、どのタイミングで手続きするべき?」と疑問に思っている方もいるでしょう。不動産の名義変更を行う際には、「原因」で登記を行いますが、離婚の場合には「離婚届を提出済であり、財産分与の協議が成立していること」が条件となります。
なぜ「離婚前」の名義変更はNGなのか?
上記の通り、離婚に伴う名義変更は「離婚後」に行うことになります。では、なぜ離婚前の名義変更はNGなのでしょうか。
もし、婚姻中に家の名義変更を行った場合、法律上は「夫婦間の贈与」とみなされます。夫婦間で自宅を譲渡する場合には、2,000万円までの配偶者控除を利用できますが、手続きが複雑でありリスクが残るという面があります。
「離婚後」なら財産分与として贈与税が原則非課税に
離婚届を役所に提出し、離婚が正式に成立した後に「財産分与」として家の名義を変更した場合には、贈与税は原則としてかからないため、税制上大きなメリットがあるといえます。そして、離婚することによりはじめて「財産分与請求権」が発生しますので、財産分与として家の名義を変更するには離婚成立後に手続きを行うのが法律的に正しい手順であるといえます。
財産分与の請求期限は「離婚後2年以内」であることに注意
財産分与として家の名義を変更する場合には、手続きを行うタイミングに注意する必要があります。もし、法律で定められている、2年の「除斥期間」を過ぎてしまうと、もし相手が拒否をした場合には法律的に財産分与を請求できなくなります。そのため、この離婚後2年以内に名義変更を行うことが大切です。
離婚後のトラブルを防ぐための「3つの事前準備」
上記の通り、離婚に伴う家の名義変更のタイミングは「離婚してから」であるからこそ、離婚前に準備をしっかりとしておくことが重要であるといえます。
1. 離婚届を出す前に「公正証書(離婚協議書)」を作成する
まず、離婚届を提出する前に「公正証書(離婚協議書)」を作成しておくことが非常に重要なポイントです。離婚についての話し合いをしている最中には家の名義変更について相手が了承していたとしても、離婚後に気が変わって「やっぱり名義変更に協力しない」と言いだす可能性も考えられます。法的強制力を持つ公正証書(離婚協議書)を作成しておけば、相手の気が変わっても名義変更を進めることができます。
2. 必要書類(登記原因証明情報など)の協力体制を確約させる
名義変更の手続きには、さまざまな書類が必要となります。中には、相手の印鑑証明書なども含まれていますが、このように、取得するために相手の協力が必要となる書類については、事前に依頼しておき、スムーズに準備できるように手を打っておくことが大切です。もし何の準備もせずに離婚届を出した場合、頼みづらい・相手の協力が得られないなどの理由から、なかなか書類の準備ができなくなる可能性も考えられます。
3. 登記費用(登録免許税・司法書士報酬)の負担割合を決める
名義変更のための登記を行う際には、登録免許税や司法書士報酬などの費用が発生します。これらの費用は、場合によっては数十万円単位になることもありますので、事前に費用をどちらで支払うのかといった負担割合を取り決めておくと、後々のトラブルを防げます。
状況別!名義変更のベストなタイミング
円満離婚が出来そうなケース
円満に離婚手続きができそうなケースでは、離婚届を提出した後できるだけ早く名義変更を行うことがおすすめです。特に、公正証書や離婚協議書などを作成しており、その中で家の名義に関する取り決めを行っている場合には、期間をできるだけ置かず、その内容に記載された内容に基づいてすぐに名義変更の手続きを行うことが推奨されます。
住宅ローンが残っているケース
現在住んでいる家のローンを返済中というケースの場合は、家の名義だけではなくローンの問題も絡んできます。そのためまずは金融機関に相談し、どのように対応していくのかを決めることが必要となります。この事前交渉が済んでから手続きを進めていくことになります。
これは、住宅ローンの名義変更は基本的に認められないためです。さらに、住宅ローンの名義と家の名義が一致していない場合には、金融機関との間で契約違反となり一括返済を請求されるリスクがあります。以上の点から、このケースについてはまずは金融機関との相談を行い、慎重に進めていくことが大切です。
相手が非協力的なケース
ケースによっては、相手が話し合いや手続きに非協力的であることも考えられます。話し合いに応じてくれないからと名義をそのままにしておくと、将来的なリスクが大きくなってしまうため、対策が必要です。この場合には弁護士に相談し、離婚協議と同時に名義に関する話し合いも進めます。さらに、調停調書を作成し、それを持って名義変更を行うという流れが考えられます。
不動産あんしん相談室
神田 加奈氏
不動産の名義変更に関するトラブルにも対応
離婚に伴う不動産の名義変更を行うケースにおいては、「離婚後」に登記手続きを行う必要があります円満離婚で名義を変更するだけで済む、という場合には不動産安心相談室に相談することがおすすめです。もしトラブルに発展してしまった場合でも、離婚と不動産問題に詳しい全国の弁護士を検索できますので、ぜひ相談してみてください。LINEでも無料相談を受け付けていますので、気軽に相談をしてみてください。
タイミングを間違えると発生する「3つの大きなリスク」
もし手続きを行うタイミングを間違えてしまった場合には、さまざまなリスクが考えられます。ここでは、発生する可能性のある3つの大きなリスクについて解説します。
税務署から「贈与」とみなされ、多額の贈与税が課される
もし、離婚前に名義変更を行った場合には、財産分与としての実態がないために「贈与」とみなされ、多額の贈与税が課される可能性があります。また、財産分与だったとしてもその額が大きすぎると判断された場合にも、同様に贈与とみなされて贈与税を課される可能性が考えられます。
離婚成立後、元配偶者と連絡が取れなくなり登記ができなくなる
登記を行うには、双方の協力が必要となります。もし、あらかじめ何も準備をせず、離婚後に名義変更の手続きをしようとした場合、相手との連絡が取れなくなる可能性があります。もし音信不通になった場合には、裁判をして手続きを進めていくことになるために非常に手間がかかってしまいます。
住宅ローンの契約違反となり、銀行から一括返済を求められる
もし、銀行に無断で名義を変えたり居住実態を変えたりした場合、住宅ローンの契約違反とみなされる可能性があり、「期限の利益の喪失」につながるリスクがあります。期限の利益の喪失とは、借入金などを「分割払いにて返済できる権利」を失ってしまい、債権者から残額を一括返済するように求められる状態のことを指します。
名義変更の手続きをスムーズに完結させる流れ
実際に名義変更を行う場合には、以下のような流れで進めていきます。
離婚届の提出から登記完了までの全スケジュール
まず離婚届を提出した後に、名義変更に必要な書類の収集を行います。その後、書類が揃ったら法務局で書類を提出し、登記を行います。法務局への申請自体はおよそ1〜2週間が目安となりますが、その前段階の書類の準備にどれだけの期間かかってくるかが全体のスケジュールに大きく影響してきます。
自分でやる?プロに頼む?司法書士へ相談する最適な時期
自分で登記申請を行うことでコストを削減できますが、書類の準備をはじめとしてさまざまな手間がかかるため、司法書士に依頼する選択肢もあります。その場合には、離婚届を提出する直前が、書類の不備確認やスケジューリングについて依頼するのに適した時期であるといえます。
名義変更が難しい場合の「第2の出口戦略(任意売却・リースバック)」
もし、ローンの審査が通らない場合には名義変更を断念せざるを得ません。その場合には、不動産会社などに家を売却した上で賃貸借契約を結び、家賃を支払いながら住み続ける「リースバック」を利用する、または銀行に了承を得た上で任意売却を行うといった選択肢があります。
離婚と不動産の名義変更の基礎知識
ここでは、離婚時における不動産の名義変更について解説します。また、下記のページでもポイントを紹介していますので、こちらも参考にしてください。
流れ
名義変更の流れは下記の通りです。手続きにはさまざまな書類や手続きが必要となりますので、間違いなく手続きを行いたい・できる限り早く手続きを終わらせたいといった場合には専門家に相談・依頼することがおすすめです。
- 離婚届の提出
- 必要書類を用意する
- 登記申請書を作成する
- 不動産の所在地を管轄する法務局に登記申請を行う
必要書類
名義変更を行う際には下記の書類を用意します。さまざまな書類が必要となるため、早めに動くようにすることが大切です。
- 登記事項証明書
- 登記申請書
- 不動産の権利証
- 登記原因証明情報
- 固定資産評価証明書または課税明細
- 離婚日の記載がある戸籍謄本
- 不動産を譲る側の印鑑証明書・実印
- 不動産をもらう側の住民票・認め印
費用
- 戸籍謄本、固定資産評価証明書など:1通数百円で合計数千円
- 司法書士費用:相場は5万円~10万円前後
- 登録免許税:土地価格の2%
