離婚時に不動産の頭金は返ってくる?

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離婚時に「不動産の頭金は返ってくるの?」と不安に感じる方は少なくありません。自分の貯金や親からの援助で頭金を支払っていた場合、その資金が特有財産から出ていれば返ってくる可能性が高いです。もっとも、実務ではその頭金が共有財産か特有財産かが最大の争点になります。本記事では、判断基準と計算方法をケース別にわかりやすく解説します。

頭金と財産分与のポイントは特有財産かどうか

離婚時の財産分与は、夫婦が婚姻期間中に協力して築いた財産を公平に分け合う制度です。この対象となるのが「共有財産」で、それ以外の財産は原則として分与の対象にならない「特有財産」とされます。頭金がどちらに該当するかが、返ってくるかどうかを左右します。

特有財産とは

特有財産とは、夫婦が協力して築いた「共有財産」とは異なり、原則として財産分与の対象とならない個人固有の財産を指します。具体的には、結婚前の独身時代にためた貯金や、その資金で購入した不動産、加入していた生命保険の解約返戻金、保有していた株式や投資信託などが該当します。また、婚姻中であっても、親からの援助や相続、贈与によって取得したお金や不動産は、夫婦の協力によって形成されたものではないため、原則として特有財産として扱われます。このため、離婚時に頭金が返ってくるかどうかは、その資金が特有財産と証明できるかが重要なポイントになります。

特有財産は立証責任がある

特有財産であることは、主張する側が立証する必要があります。結婚生活が長くなるほど、独身時代の貯金と婚姻後の収入、親からの援助などが同じ口座で管理され、特有財産と共有財産が混在してしまうケースは少なくありません。このような場合、特有財産であると客観的に証明できなければ、原則として共有財産として扱われ、財産分与の対象になります。

参照元:民法762条第2項│e-Gov( https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089

頭金の特有財産の立証方法

頭金が特有財産であることを主張するには、客観的な資料による裏付けが欠かせません。まず、不動産売買契約書や建築請負契約書で自宅の購入価格を確認し、次に金銭消費貸借契約書で住宅ローンの借入額を把握します。これにより、自己資金として支払った頭金の金額を特定できます。そのうえで、独身時代の貯金や親からの援助など、頭金の原資が特有財産であることを示すために、預貯金の取引履歴や贈与契約書などを突き合わせて確認します。これらの資料を揃えることで、頭金が共有財産ではなく特有財産であると立証しやすくなります。

【ケース別】不動産の頭金と財産分与の判断基準と計算方法

特有財産と財産分与の基本的な考え方は、まず夫婦の財産全体の金額を確定させ、その中から特有財産にあたる部分を控除し、残った共有財産を原則として折半するという流れになります。しかし、不動産のように購入時から価値が変動する資産では、頭金の金額をそのまま差し引けばよいわけではありません。たとえば、5,000万円の物件を購入する際に500万円を頭金として支払っていた場合、頭金は価格の10分の1に相当します。その後、不動産価格が6,000万円に上昇していれば、特有財産として控除される部分も10分の1である600万円相当になります。つまり、頭金は「金額」ではなく「割合」で評価されるのが原則です。以下のケース別解説では、理解しやすいよう便宜上、価格が変動しない前提で説明します。

共有財産から頭金を出した場合

共有財産から頭金を支払った場合、その頭金は夫婦が婚姻期間中に協力して築いたお金であるため、特有財産ではなく共有財産として扱われ、財産分与の対象になります。たとえば、結婚後に二人でためた預貯金や、婚姻中の収入を同一口座で管理して積み立てた資金を頭金に充てたケースがこれに該当します。この場合、頭金部分を特別に控除することはなく、不動産全体を共有財産として評価したうえで、通常の財産分与と同じく、原則として2分の1ずつ折半するのが基本的な考え方になります。

どちらか一方の特有財産から出した場合

頭金をどちらか一方の特有財産から支払った場合、その頭金部分は原則として支払った側の特有財産と扱われ、財産分与の対象から控除されます。たとえば、不動産の評価額から住宅ローン残高を差し引いた実質的な価値が2,000万円あり、そのうち夫が独身時代の貯金など特有財産から500万円を頭金として支払っていたケースを考えてみましょう。この場合、まず2,000万円から特有財産である500万円を控除し、残る1,500万円が共有財産となります。この共有財産部分を原則どおり折半すると、夫婦それぞれ750万円ずつ取得する計算になります。したがって最終的な取り分は、夫が「共有財産分750万円+特有財産分500万円=1,250万円」、妻が750万円となり、頭金を特有財産で負担した夫の持分が多くなるのがポイントです。

どちらか片方の親から頭金を援助された場合

どちらか一方の親から頭金の援助を受けた場合、その資金は夫婦が協力して築いたものではなく、原則として援助を受けた側の特有財産として扱われます。たとえば、不動産の評価額から住宅ローン残高を差し引いた実質的な価値が2,000万円あり、妻が自分の両親から500万円の援助を受けて頭金を支払っていたケースを考えてみましょう。この場合、まず特有財産である500万円を控除し、残る1,500万円が共有財産となります。この1,500万円を原則どおり折半すると、夫婦それぞれ750万円ずつの取得となります。したがって最終的な取り分は、夫が750万円、妻は「共有財産分750万円+特有財産分500万円=1,250万円」となり、親からの援助を受けた妻の取り分が多くなる計算になります。

夫妻両方の特有財産から出した場合

夫妻双方の特有財産から頭金を出している場合は、それぞれの特有財産分を控除した残りを共有財産として折半し、特有財産分は各自にそのまま帰属させるのが基本的な考え方です。たとえば、不動産の評価額から住宅ローン残高を差し引いた実質的な価値が2,000万円あり、妻は両親からの援助250万円、夫も独身時代の貯金などから250万円を頭金として支払っていたケースを考えてみましょう。この場合、まず合計500万円の特有財産分を控除し、残る1,500万円が共有財産となります。この1,500万円を折半すると、夫婦それぞれ750万円ずつです。そこに各自の特有財産である250万円を加えるため、最終的な取り分は、夫が1,000万円(750万円+250万円)、妻も1,000万円(750万円+250万円)となります。

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代表 神田 加奈氏
代表
神田 加奈
離婚時の不動産トラブル問題を解決するプロ
不動産コンサルタント

頭金の取り分計算は、簡単ではありません。

双方の特有財産から頭金を出したケースにおいては財産分与の計算が複雑であるため、トラブルにつながるケースも少なくありません。できれば問題が起きる前に、不動産トラブルに精通している弁護士などの専門家に相談しましょう。

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