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熟年離婚では、住宅ローンの残債が少なくなっている一方で、退職金や年金分割といった資産の取り扱いも重要な争点になります。長年積み重ねた不満が表面化しやすい頃でもあるため、財産分与の割合や方法をめぐって揉めるケースも少なくありません。
熟年離婚でも避けられない「住宅ローン問題」
定年前後は役職定年や再雇用や再就職で正社員から雇用形態が変わってしまい、減給になるなど収入が不安定になってしまう時期です。住宅ローンが残っている場合、返済計画が予定と異なり離婚後の生活設計にも大きく影響を及ぼす可能性があります。
夫婦で購入した住宅は夫の名義でローンを組んでいても妻が連帯保証人や連帯債務者となっている場合が多く、離婚後に夫が滞納すると妻が一括返済を迫られるリスクがあるなど注意が必要です。
定年後の年金「ローン返済」を継続できるか
定年後の収入は年金のみとなってしまいますが、働いているときよりも収入が大きく減るためにローン返済の返済比率が大きく上がってしまいます。固定資産税やマンションの管理費・修繕積立金の値上げがあることも考えると、老後の収支が厳しくなり破綻してしまうリスクもゼロではありません。
また、高齢期ということで病気・怪我のリスクも高まり、支出が更に増えてしまうことも考える必要があります。ローンの返済を今まで通り継続し続けることができるのか、慎重に考えなければいけません。
離婚時に住宅ローン返済中の
家はどうする?
対処法・トラブル・注意点を解説
財産分与で「家」と「退職金」をどう分けるのが正解?
離婚をする際には、婚姻期間中に形成された財産を原則2分の1ずつ分け合うことになります。将来受け取る予定の退職金も財産分与の対象であり、結婚から別居時までの期間を計算して分配を行います。
家を分けるときには、売却をして住宅ローンを完済して手元に残った残金を分け合うのが最もシンプルな方法です。ただし、オーバーローンで家を売ってもローンが残ったときに退職金で充当するのは危険です。退職金は老後の生活費用として充てるものであるため、ここから数百万円、数千万円のローンを返済してしまうと老後の生活に影響を及ぼす可能性が高まります。また、負債の方が多いオーバーローンの状態では不動産は価値がマイナスとなるため財産分与の対象外となります。
離婚で持ち家はどうする?
ローン・名義別に財産分与の
対応方法を解説
熟年層では「借り換え」が難しい
名義を変更するために借り換えをしたいと思っても、年齢的に収入が不安定になっているなど信用力を担保することが難しく、審査に通るのは厳しいです。完済時の年齢制限、団信の審査に通らない年数経過による住宅の評価額が低下しているなども借り換えが難しくなる要因です。
不動産あんしん相談室
神田 加奈氏
熟年離婚の複雑な悩みにもワンストップで対応
熟年離婚では、住宅ローンの残債が少なくなっていることが多い一方で、退職金や預貯金、さらには年金分割といった財産面の調整も必要になります。加えて、長年の不満や価値観の違いが蓄積されているため、感情のもつれから個別の話し合いだけでは解決しにくいケースも少なくありません。
不動産あんしん相談室では、こうした複雑な問題に対して、離婚問題に詳しい弁護士と連携しながらサポートしています。離婚協議書の作成はもちろん、不動産の売買契約や重要事項説明書の整備まで、必要に応じて幅広く対応可能です。
オーバーローン物件についても、任意売却やリースバック、住宅ローンの組み換えなどを通じて「住み続ける」選択肢を検討できます。
まずはLINEから、お気軽にご相談ください。
【状況別】熟年離婚での住宅ローン・住まいの解決策
家を売却して清算する
家を売却してそのお金で住宅ローンを精算するのは、一番シンプルで分かりやすい解決方法です。これは住宅ローンよりも家の評価額が高いアンダーローンの際に有効であり、売却益を公平に分けることができますし老後資金を現金で確保することができます。維持費の安い賃貸やコンパクトな住宅に住み替えることはコストダウンにもつながります。
ただし、オーバーローンの場合は残った返済を誰がどう払うか決める必要がありますし、引っ越し費用や新居の用意などで費用がかかってしまいます。
リースバックで今の家に住み続ける
リースバックを利用すれば持ち家を売却して短期間で現金化することができます。所有権は失いますが、家賃を支払うことで継続して住み慣れた家に住み続けることができますし、住宅ローンの支払い、固定資産税の負担から逃れることができます。将来的に買い戻すことも可能です。
引っ越しをする必要がないメリットはありますが、家賃が値上げされるリスクがあること、買戻しには期限があることなどに注意が必要です。
夫(妻)が家をもらい、退職金でローンを完済する
どちらかが家をもらって退職金でローンを完済する場合は、住宅ローンの支払いが無くなる分だけ住居費負担が減りますので年金分割で受け取る額が少なくなっても生活に支障を及ぼすリスクが軽減されます。また、ローンを完済することで名義変更、精算がスムーズにできるメリットがあります。
婚姻期間中に築いた退職金は共有財産となり財産分与の対象となります。退職金で住宅ローンを完済して更に退職金が残る場合は、ローン完済後の家の価値と残りの退職金を財産分与の対象として考える必要があります。
家の価値が2,000万円、残った退職金が200万円の場合は合計で2,200万円を夫婦で割ることになり、1,100万円ずつを取得する計算となります。妻が家に残る場合は家の価値である2,000万円から1,100万円を引いた900万円を貯金などから夫に支払うなどして差額調整を行います。妻は住み慣れた家にローンがない状態で住めるようになり、夫は妻からまとまった現金を受け取ることができます。
オーバーローンなら「任意売却」
住宅ローンが家の売却価格よりも高く売却後も借金が残ってしまうオーバーローンの場合は、任意売却を検討しましょう。住宅ローンの返済が厳しくなり滞納が続くと、競売になってしまう恐れがあります。競売は相場よりも低い価格になってしまう可能性が高いですし、引っ越す時期も選べません。任意売却は相場に近い価格で売却できますし、売却額の中から引っ越し資金を捻出することもできます。引っ越すタイミングについても相談できますので、競売よりもメリットが大きいのです。
老後はどうしても収入が減ってしまいますから、老後破産のリスクが高まります。住宅ローンが負担になっている場合は、まず任意売却に強い不動産会社に相談をして対応を検討してみることをおすすめします。
熟年離婚の年金と退職金の財産分与
退職金は「将来もらえる分」も財産分与の対象になるのか?
婚姻期間中の労働に対して支払われる賃金であるという考えから、退職金は財産分与の対象となります。このとき、結婚から別居までの期間に対応するものが対象となり、離婚時に退職したと仮定した退職金を見込み額として計算することになります。退職がまだまだ先でも、未来に受け取る退職金を前倒しで評価するのです。
離婚時に清算した退職金で住宅ローンを完済することができれば、家を負債がない資産として分けることができます。
年金分割で増える金額と、ローン返済額のバランスシート
離婚をすると、婚姻期間中の厚生年金が年金分割制度により夫婦で分割することができます。ただし、増えるのは微々たるものであり年金だけで生活するのは困難です。専業主婦の場合は厚生年金がなく基礎年金のみの受け取りとなるため、年金分割分を足しても生活は厳しく老後破産のリスクがないとは言えません。
生活を守るためにも、適切な財産分与を確保し、再就職やパート勤務で収入を得るなどの対策が必要です。
家を譲る代わりに「年金分割をしない」という合意は有効か?
夫婦で話し合った結果、合意すれば年金分割をしないと決めることも可能です。ただし、専業主婦・主夫である国民年金の第3号被保険者は離婚協議で分割しないことを決めていても、相手の同意なしに一方的に3号分割の請求を行うことができます。公正証書で強制力を持たせておくと、トラブルを避けることができるでしょう。
後悔しないための実務上の注意点
住宅ローンの名義変更を銀行が認めないケースと「一括返済」のリスク
住宅ローンは名義人の返済能力を信用して銀行から融資を受けているものですから、住宅ローンの名義を銀行に内緒で変えてしまうのは契約違反となり一括返済を請求されるリスクがあります。
また、名義変更を銀行に相談しても、名義人の信用で貸し付けているローンとなりますから、審査をしていない人に名義を変更することができません。また、住宅ローン契約時には物件の価値も評価されていますが、今の評価額がそれよりも下がっていれば改めて見直す必要がありますので、スムーズな名義変更は困難です。
子の名義変更には贈与税とローン契約違反のリスク
家を無償で譲渡した場合、不動産評価額が110万円を超えると贈与税の対象となってしまいますし評価額よりも極端に低い価格で譲ってしまうとみなし贈与と判断されて数百万円~数千万円の贈与税がかかる恐れがあります。
また、子どもが親のローンを代わりに返済する場合でも、名義が親のままでは贈与と見なされて贈与税対象となります。親のローンを完済して子供が新規にローンを組むリレーローンに借り換える方法もありますが、親子同居が前提となりますし、不動産持ち分と返済割合が親子で違うと贈与税がかかる恐れがあるため登記と返済割合を一致させる必要があります。
公正証書に必ず盛り込むべき「老後の支払い・住居」の特約
離婚時には、取り決めた内容を公正証書に残しておくことをおすすめします。このとき、居住権の保証、不払い時の給与・年金の差し押さえや修繕費・税金の負担について記載しておくようにしましょう。
住宅ローンなどの支払いが滞ったときに差し押さえできるよう、強制執行認諾文言を付与することも大切です。これにより、住宅ローン滞納によってトラブルが起こるリスクを軽減することができます。公正証書は私文書である離婚協議書と違い高い証拠能力、法的効力があります。
熟年離婚では離婚後の生活、第二の人生を送るための資金計画から逆算して考えることが重要であり、単純に退職金で住宅ローンを完済してしまうと手元の現金が減ってしまうため危険です。住宅ローンや家の名義など、専門家に相談してトラブルにならないように専門家に相談することが大切です。不動産あんしん相談室なら、不動産売却・借り換え・リーガルサポートまで、一括で整理することができます。本サイトのトップページに掲載されているセルフチェックシートを使うと適切な相談先を探すことができますので、ぜひ確認してください。
