離婚後の住宅ローン控除

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こちらの記事では、離婚後の住宅ローン控除の取り扱いについてまとめました。例えば、「離婚後、住宅ローンの非名義人である妻がその家に住み続ける場合に住宅ローン控除は受けられるのか」などさまざまなパターンを取り上げてご説明をしています。

離婚後には住宅ローン控除が受けられるのか気になっている方は、ぜひこちらのページの内容を参考にしてみてください。

住宅ローン控除を受けるには

そもそも住宅ローンとは、住宅ローンなどを利用して住宅の新築・取得、増改築などを行った際にその住宅ローン残高などをもとに計算した一定の金額を所得税額から控除するという制度のことをいい、正式名称は「住宅借入金等特別控除」といいます。対象となる要件は「新築・取得から6か月以内に居住し、適用を受ける年末まで居住し続けていること」「合計所得が3千万円以下であること」「対象住宅に対して10年以上のローンがあること」などがあります。

出典:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1213.htm

離婚後の住宅ローン控除を受けられるケース

名義人が住み続ける

本人が住み続ける場合

住宅ローンの名義人本人がそのまま住宅に住み続ける場合、当然ながらに住宅ローン控除を引き続き受けることが可能です。これは住宅ローン控除の要件である「適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること」を満たしているからであり、離婚の有無にかかわらず適用が受けられるからです。住宅ローン控除を確実に受けたいと考えている場合、住宅ローンの名義人本人が引き続き住み続けるという選択肢が適切でしょう。

共有名義の場合

住宅ローンは共有名義で借り入れることも少なくありません。こういった場合、家に住み続ける名義人は引き続き住宅ローン控除を受けることが可能です。これは上記と同じく「適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること」という要件を満たすことができることから適用が受けられるものであり、反対に対象となる住宅で住まなくなる名義人はこの要件を満たせなくなるため、住宅ローン控除が受けられなくなります。

財産分与で家を取得した

離婚時には財産分与を行いますが、家と住宅ローンの両方を引き継ぐことになった場合は住宅ローンを受けることが可能です。例えば婚姻期間中に夫の名義で住宅ローンを組んでいる場合であっても、離婚時の財産分与で住宅ローンの借り換えを行い妻名義の住宅ローンになり、その対象の住宅には妻が住み続けることになった場合、住宅ローン控除を受けることが可能です。ただし、「返済期間が10年以上」であることが適用条件になりますので注意が必要です。

離婚後の住宅ローン控除を受けられないケース

非名義人が住み続ける

住宅ローン控除を受けるためには住宅ローンの名義人が対象となる住宅に住み続ける必要がありますので、「住宅ローンの名義人ではあるものの対象住宅には住み続けない場合」「対象となる住宅には住み続けるものの、住宅ローンの名義人ではない場合」は住宅ローン控除を受けることができません。こういった場合、財産分与時に住宅ローンの借り換えを行って住宅ローンの名義人を変更したり住宅そのものを買い取るなどして名義変更を行うことで適用要件を満たすことができれば、住宅ローン控除が受けられるようになります。

負担付贈与の場合

離婚をした後に財産分与ではなく「負担付贈与」として不動産を取得する場合、住宅ローン控除の適用を受けることができなくなりますので注意が必要です。「負担付贈与」とは贈与を受ける代わりに住宅ローンの返済義務などといった一定の債務を負担するというものであり、例を挙げると「住宅の贈与を受ける代わりに住宅ローンの残債を返済する」というようなケースが該当します。負担付贈与はその名称にもあるように贈与として取り扱われるため、住宅ローン控除の適用要件における「贈与による取得でないこと」に反しますので住宅ローン控除が受けられません。

共有持分で家に住み続けない

共有持分で住宅や住宅ローンの所有権を共有している場合であっても、対象となる住宅に住み続けない方の配偶者は住宅ローン控除の適用を受けることはできません。これは住宅ローン控除の適用要件である「適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること」という要件を満たせなくなるためであり、反対に引き続き居住し続ける配偶者は受けることが可能です。

住宅ローンと財産分与について

借金やローンなどのマイナスの財産は基本的に財産分与の対象外となります。これは借入金が債務者・債権者間の契約に基づくものであることが理由となっており、保証人などになっていない限り代わりに返済することはできません。そのため夫婦間の財産分与における取り決めで借入金・ローンの返済負担を名義人(債務者)以外が持つことになった場合、一度配偶者から債務者に送金したうえで債務者が債権者に返済するか、借り換えなどにより名義変更を行う必要があります。

名義をどうするかは慎重に検討を

このページで紹介した通り、住宅ローン控除の適用が受けられるかどうかは「適用要件を満たすかどうか」で決まります。そのため名義をどうすれば住宅ローン控除が受けられるのかを慎重に検討し、決定するようにしましょう。

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