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離婚後、元配偶者と連絡が取れなくなってしまうケースがあります。このような場合には、家の売却に相手の同意が必要な場合にも同意が得られない可能性があります。そうなると、通常の売却だけではなく任意売却を行うこともできなくなってしまいます。そこでこちらの記事では、元配偶者と連絡を取るにはどのような方法があるのかをご紹介していきます。
元配偶者と連絡を取るには
元配偶者と連絡を取りたい場合には、共通の友人に訪ねて連絡先を確認する、また弁護士をはじめとする専門家の手を借りるといった方法があります。ここでは、さまざまなパターンごとに元配偶者の現在の住所を確認する方法についてまとめています。
公正証書に住所変更後の通知義務を記載している場合
公正証書に住所変更後の通知義務を記載している場合、離婚時にその条件を設けておくと、元配偶者が住所を変更した際には、その新しい住所を知らせる義務が発生します。ただし、この通知がどれほどの速度で行われるかは、公正証書に記載された通知義務の条件に依存します。したがって、元配偶者から新住所を得るまでの時間を把握するには、事前に設定された通知期間を確認する必要があります。
このシステムは、連絡が取れなくなった元配偶者を探す際の有効な方法の一つです。例えば、離婚後に子供の養育費の支払いを受けるために元配偶者の居場所を知る必要がある場合、公正証書に住所変更通知の義務を含めておくことで、このような状況に対処しやすくなります。しかし、実際に新住所を受け取るまでの時間は、公正証書で定められた条件によって大きく変わるため、その点をよく理解し、必要に応じて法的な助言を求めることが重要です。
住民票を取得して現住所を調べる
通常、住民票の取得は同一世帯のメンバーに限られていますが、特定の正当な理由がある場合、この制限を超えて元配偶者の住民票を取得することが可能です。ただし、この手続きは一般的には難易度が高く、多くの人にとってはアクセスしにくいものです。
専門家である行政書士や弁護士に依頼することで、住民票の取得が現実のものとなります。これらの専門家は、住民票の請求に必要な正当な理由を法的な観点から提供し、手続きを進めることができます。しかし、彼らが介入したとしても、住民票の取得には引き続き正当な理由が必要であり、すべての請求が承認されるわけではありません。したがって、依頼する際には、請求が拒否される可能性があることも考慮に入れる必要があります。
例えば、元配偶者からの養育費の未払いを解決するために彼らの現住所が必要な場合、行政書士や弁護士は、このような正当な理由を根拠に住民票の取得を試みることができます。このプロセスを通じて、正式な手続きと適切な理由のもとで、必要な情報を法的な枠組み内で入手する道が開かれます。
行政書士や弁護士に依頼して住民票を取得する
上記でご紹介した通り、住民票を取得するには原則同一世帯であるという点がありますが、正当な理由があれば、元配偶者の住民票取得が可能です。しかし、実際に元配偶者の住民票を取得する、というのはハードルが高いといえるでしょう。
以上から、住民票を請求する職権を持っている行政書士や弁護士といった専門家に依頼することによって、住民票の取得を行う方法が考えられます。ただし、行政書士や弁護士であっても住民票を取得する場合には正当な理由が必要となります。
そのため、場合によっては請求が拒否される可能性もある点はあらかじめ念頭に置いておくと良いでしょう。
戸籍の附票で現住所を確認する
戸籍の附票とは、戸籍謄本や抄本に付随する公文書で、個人が戸籍を作成してから除籍されるまでの期間にわたる住所変更の履歴が記録されています。この附票により、住民票とは別の方法で現在の住所を確認することが可能です。ただし、この方法は元配偶者が本籍地を変更していない場合に限ります。本籍地を移動してしまった場合、戸籍の附票による現住所の確認は不可能となります。
探偵に所在調査を依頼して元夫・元妻の住所を特定する
自分では現住所の確認が難しく、さらに行政書士や弁護士といった専門家でも元配偶者の現住所が特定できない場合もあるでしょう。このような場合には、探偵に所在調査を行う方法も考えられます。 探偵で調査する場合には、独自のルートで住所の特定を行える点、自分で対応する場合と比較すると特定までの時間を短縮できる、専門的な知識と経験を活かした調査を行うことからトラブル発生を防げるといったようなさまざまなメリットが考えられます。
不動産あんしん相談室
神田 加奈氏
相手と連絡を取る方法は、
経緯や状況に応じて選択肢が異なります
離婚問題で元配偶者と連絡が取れなくなると、家の売却や離婚手続きが進まないといった問題が生じます。特に不動産が絡む場合、連絡が取れないと財産分与や売却手続きが滞ってしまいます。元配偶者を探す方法はありますが、すぐに解決するわけではないため、時間がかかる事態を想定しなければいけません。
自宅があり元配偶者が行方不明で困っている場合は、離婚トラブルに詳しい不動産の専門家に相談するのが有効です。不動産あんしん相談室では、離婚問題に強い弁護士も紹介してくれるので、まずは一度相談してみましょう。
住民票や戸籍の附票から
離婚した相手の現住所を調べられないケース
住民票や戸籍の附票を用いることで、離婚した元配偶者の現住所を調査することは可能です。ただし、住民票や戸籍の附票でも確認ができない場合もあります。ここでは、どのようなケースが考えられるのかという点について見ていきましょう。
離婚届を出す前に住民票を移動していた
離婚届を提出する前に相手が住民票を移動させた状況は、離婚した相手の現住所を確認できなくなる一因となります。通常、住民票の取得には申請者と同じ世帯に属する必要があるため、相手が住民票を別の場所へ移すと、それまでの世帯から分離されます。このように別世帯となると、住民票を通じての住所確認が困難になります。
除籍後に本籍地を変更している
元配偶者が離婚後に本籍地を変更した場合、戸籍の附票を用いた現住所の確認は不可能になります。本籍地の変更は、戸籍の附票から住所の履歴を追うことを困難にし、結果として、現在の住所を特定する手段を失うことになります。この状況では、戸籍の附票に依存していた住所確認の方法が用いられなくなるため、他の手段を検討する必要があります。
住民票に閲覧制限をかけている
住民票に閲覧制限が設定されている状況では、元配偶者の現住所を突き止める作業に著しい困難が伴います。このような閲覧制限は、DV(家庭内暴力)を含む様々な理由により、個人のプライバシーと安全を保護する目的で施されることがあります。制限が存在する場合、通常の手段である住民票を利用しての住所確認が不可能となり、現住所の特定には代替の方法を模索する必要性が高まります。
離婚後に相手の住所を自分で調べる4つの方法
上記の通り、住民票や戸籍の附票の取得により、離婚した元配偶者の現住所を調べられます。ここでは、自分で元配偶者の住所を調べる場合にはどのような方法が考えられるのか、という点についてまとめていますので、ぜひ参考にして見てください。
不動産登記簿を調べる
元配偶者が不動産を取得している場合には、不動産登記簿を確認するという方法もあります。不動産登記簿には不動産を所有する人の住所が記載されていますが、誰でも閲覧が可能でありインターネットでも確認できます。 ただし、不動産登記簿に記載されている住所は現在のものとは限らない、という点を念頭に置いた上で調べることが必要です。
相手の実家や職場などに聞いてみる
自分で調べる場合には、元配偶者の実家や職場に連絡をして確認する、という方法も選択肢のひとつといえるでしょう。 ただし、実家などであれば現在の住所を伝えないようにすでに口止めをしている可能性もあります。
さらに、職場に問い合わせた場合でも、昨今は個人情報保護の観点から企業では従業員の情報を開示しない傾向があり、実際にはこのような方法で元配偶者の現住所を確認することは難しいかもしれません。
また、元配偶者の実家や職場に連絡をして現住所を確認する場合には、法に抵触しないように注意することが大切であるといえます。
過去の住所に荷物を送ってみる
元配偶者の過去の住所がわかっているのであれば、荷物を送ってみるという手もあります。
もし、転居届を出している場合には荷物が転送されますが、荷物の配送履歴を確認することによってどの支店から荷物が届けられているのかといったおおよその情報は確認することができます。
ただし相手が転送届を出していない場合は単純に荷物が返送されることになります。
転送届を提出しているかどうかは、手紙を送ってみることでも確認が行えます。
SNSで探してみる
SNSを活用して探すという方法もあります。この場合には、さまざまSNSで相手のアカウントを探してみましょう。
もしアカウントが見つかった場合は、メッセージを送るなどして現住所を聞くことができるでしょう。
このように、SNSはさまざまな情報を収集する際にも活用できるツールとなっていますが、個人情報を取り扱っていることからプライバシーの侵害に当たらないように十分注意する必要があります。
まとめ
離婚後元配偶者との連絡が取れなくなった場合、家の売却等で困難が生じる可能性があります。連絡を取る方法として、共通の友人を介する、弁護士等専門家に相談する、公正証書での住所変更通知義務の設定、住民票や戸籍の附票の取得、探偵による所在調査などがあります。これらの方法は、正当な理由があれば実行可能ですが、専門的な知識や手続きが必要となる場合もあります。
このような状況では、法律的な手続きや専門的なアドバイスが求められることが多いです。専門家のサポートを得ることで、難しい手続きを適切に進めることができます。