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離婚が決まり「自宅は手放さなければならないのか?」と不安な気持ちを抱えている方もいるのではないでしょうか。持ち家の場合には財産分与を行い、自宅もこの段階でどちらのものになるのかを決めます。そのため、自宅を手放す選択肢だけではなく、住み続ける選択肢もあります。
ただし、財産分与方法はローンの有無や名義により手続きが変わってきますので、あらかじめ知っておくことが大切です。
持ち家の財産分与の手順
自宅が持ち家の場合、離婚時には自宅は「財産分与」の対象となります。原則として、「財産分与や折半」となりますが、離婚協議によって財産分与の中身や比率について交渉することが可能です。
持ち家の財産分与の仕方には大きく分けて3種類あります。
財産分与で家はどうする?4つの選択肢と住み続ける方法・税金やローンへの対処法を解説
家の名義・住宅ローンの状況を確認
はじめに「家の名義」と「住宅ローンの状況」について確認します。家の名義は、登記簿謄本(登記事項証明書)により確認が可能です。また、住宅ローンについては契約時に交付される償還表や定期的に送られてくる返済予定表を確認するなどの方法で状況を知ることができます。
離婚協議で財産分与の方法について話し合う
離婚後はどちらかが現在の家に住むのか、または家の売却を行うのかを決めます。ここで、双方が納得できるのであれば、話し合いで決まった内容に従い財産を分けます。もし、夫婦のどちらかが現在の家に住み続けるのであれば、もう片方にどの程度の代償金を支払うのかを話し合って決定します。
離婚協議書を作成する
財産分与の内容に合意できた場合には、離婚協議書を作成します。ここには、財産分与の話し合いで決めた内容を記載します。今後のトラブルを防ぐためにも、可能な限り取り決めた内容を詳細について記載することが大切です。この協議書には、互いの合意の上で作成されていることを証明するため、双方が署名・捺印を行います。
双方が合意しない場合は調停や裁判で決める
話し合いで財産分与の内容が決まらないケースについては、家庭裁判所に対して調停を申し立てます。この場合、家庭裁判所の調停委員が間に入って話し合いを進めていきます。
調停でも合意が得られない場合、自動的に審判手続きが開始され、裁判官が互いの主張・証拠をもとにして財産分与の内容を決定します。
財産分与の方法や選択肢については後述しますので、こちらも参考にしてください。
離婚時の持ち家の財産分与方法3つ
家を売却し、売却金を夫婦で分ける
離婚時に自宅を売却し、得られた売却益を夫婦で分ける方法が一般的に選ばれている方法といえます。
売却代金を分割する際には、原則2分の1ずつ分けますが、双方の同意があれば分割の割合を変更することもできます。
このケースでもし住宅ローンの残債がある場合には、家を売却した代金からローンの残高を差し引いた金額が財産分与の対象です。さらに、家を売却する場合には仲介手数料をはじめとする諸費用が発生するため、これらの諸費用分も手元に残る金額から差し引かれます。
以上から、ローンの残債や予想売却価格、その他かかってくる諸費用について確認した上で自宅を売却するかどうかを検討することが必要です。
離婚で家を売却するには?流れ・タイミングや住宅ローンなどの注意点を解説
どちらかが住み続け、相手に代償金を支払う
現在の家に住み続けたいと考えているのであればこの方法が最も良い方法といえます。単独名義者が住み続ける場合には、そのまま住み続けて問題はありません。ただし、夫名義の家になっているものの住み続けるのが妻である場合には、名義変更を行います。この場合、ローンの残債がある場合には、ローンの返済や借り換えを行うことが必要となります。
共有名義のままにする
自宅が夫婦の共有名義となっているケースもあります。この場合、共有名義のまま住むことも可能ではあるものの、トラブルが発生する可能性が高いためおすすめできない方法です。
共有名義の場合、自分の持分のみであれば他の名義人の同意を得ずに売却することが可能であるため、夫との共有名義だと思っていた自宅が、知らないうちに他の人との共同名義になっている可能性も考えられます。
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住宅ローンが残っている場合の対処法
離婚時にローンの残債が残っている場合、家の評価額がローンの残債務額を上回っているかどうかも非常に重要です。また、連帯債務者や保証人になっている場合にも注意が必要です。以下にて解説していきますので参考にしてください。
オーバーローン(家<ローン)の場合、債務は残り続ける
家の評価額が住宅ローンの残債務額を下回っている状態を「オーバーローン」といいます。この場合には、自宅を売却してもローンを完済できず、ローンの残りについては持ち出しで支払う、離婚後も返済を続ける、借り換えて自分のものにするなどの選択肢が考えられます。
ただし、この場合に自宅を売却しようとするときには、住宅ローンを組んだ金融機関の同意が必要な点にも注意が必要です。
【要注意】連帯債務者・連帯保証人になっている場合の対応
注意しなければならないのが、連帯債務者や連帯保証人になっている場合です。そのままにしておくと、離婚しても義務が残るため、もしローンの借入名義人がローンの支払いをしない場合には、代わりに返済を行う必要が出てきます。 連帯保証人を外れる方法としては、別の人を連帯保証人にする、住宅ローンを借り換える、家を売却するなどの方法が考えられます。
離婚後のローン名義変更は可能か?
住宅ローンの名義変更は原則行えません。
しかし、返済中に離婚することになったために名義変更をしたいと考える人もいるでしょう。その場合には、まずは現在住宅ローンを組んでいる金融機関への相談が必要になります。すると金融機関では、再度資力や返済能力についての審査を実施した上で、名義変更の可否について判断を行います。
ローン×名義の状況別!離婚後も持ち家に住み続ける方法
離婚後にこれまで住んできた家に住む意思がない場合は、売却して現金で精算を行えば問題ありません。ここからは、自宅に今後も住み続けたいと考えている人向けに、それぞれの状況の対処方法を解説していきます。
ローンがない相手単独名義の家は名義変更
すでにローンを完済しており、相手の単独名義の家の場合には、財産分与で自宅をもらう交渉を行い、名義変更を行います。この場合、自宅を取得するにあたって相手に代償金を支払うなどの対応が必要になることが多いといえます。
ローンがない共有名義の家
┗相手の共有持分を買い取る(代償金または特有財産の持ち出し)して名義変更をするすでにローンを返済しており、共有名義になっている家の場合には、代償金の支払いまたは特有財産の持ち出しを行うことによって、相手の共有持分を買い取り、名義変更を行います。
ローンはあるがアンダーローン(家>ローン)
ローンが残っているものの、家の評価額の方がローンの残債務額よりも大きい場合には、ローンを一括返済して名義変更する、またはローンを借り換えて名義変更を行う方法が考えられます。
ローンがありオーバーローン(家<ローン)
ローンが残っており、さらに家の評価額よりもローンの残債務額の方が大きい場合には、ローンの借り換えが難しくなります。このケースでは、任意売却+リースバックなどの対象方法も考えられます。
ペアローンが残っている
お互いがお互いの連帯保証人となっているパターンをペアローンと言います。このケースでも実は借り換えが難しくなりますが、ローンの一本化や任意売却+リースバックなどの選択肢があります。
離婚と不動産の財産分与は、「名義とローンの状況」や、「今後どうしたいのか」という点により対応方法が変わってきます。さらに、この対応によって相談先が変わってきます。本サイトでは、自分に合った相談先がわかるセルフチェックシートを用意していますので、こちらを活用してどこに相談すれば良いのかを確認してください。
こんなとき持ち家はどうする?離婚と持ち家のトラブル集
離婚時には予期せぬトラブルが多々発生します。ここでは、離婚と持ち家にまつわるトラブル事例について解説しています。
離婚時の名義変更でよくあるトラブル
例えば「相手が名義変更に応じてくれない」「住宅ローンが原因で名義変更ができない」「費用や税金で揉めている」といったように、離婚時に自宅の名義変更でよくあるトラブルについて対処方法とともにまとめました。
離婚時の住宅ローンに関するトラブル
離婚時には住宅ローンに関連したトラブルも発生しがちです。例として「連帯保証人として返済するように連絡がきた」「退去命令通知が届いた」「ペアローンを組んでおり思うように処分ができない」など。それぞれのトラブルの詳細と、対処方法について紹介しています。
